雪掻き、
「あ゛ー…なんでんなさみィ日にわざわざ外に出なきゃなんねェんだ……」
藍色のロングコートに長いマフラー、更には手袋と耳あて、という一番暖かそうな姿の霧喰は不満の声を漏らした
「我慢しなよ霧喰、これやんなきゃココから出られないんだから」
苦笑いでそう言ったのはウル
彼もいつもよりは暖かそうな格好をしているが、霧喰程ではない
「霧喰さんは寒がりですねぇ…。いっその事、手袋とマフラー、二重にしたらどうですか?」
クツクツ、クツクツクツ、
ざすざすと雪を退かしていた手を休めて笑いながら霧喰に言ったのはチョロ
いつもは身軽に屋根の上を跳び回ってる彼も、流石に今日は足元が滑るので断念したようだ
「「…………」」
2人がそんなチョロを見て思ったこと、
それは、今この状況を見た10人中10人が口を揃えて同じことを言うだろう
いつもの服装に薄手の白いカーディガンを羽織っただけ
袖が長いから手袋をしているが分からないが、防寒具と呼べそうなまともなものは、首に巻いた薄紫のマフラーしかない
再び楽しそうにマンションの玄関周りの雪掻きを再開した彼に、2人から思わず一言、
「「………寒くねェの(ないの)…?」」
雪掻きするなら、もっと暖かい格好でやってください
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「別に寒くはないです」
「マジでどんな神経してんの!?」
「チョロさん、せめてコート着てください。見てて寒いです」
「嫌ですv どうせ雪掻きしてたら暖かくなりますからねぇ」
チョロは寒さに強い 反対に霧喰は寒さに弱い
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