歩くのは好きだ



だいたい外を見るのは好きだし、外の空気を吸い込んで肺を冷たいので満たすのも好きだ

だから冬も嫌いじゃない
ちょっと町から外れて車や人が少ない公園のそばの林道を二人で歩く
こんなに寒いのにわざわざ歩くのかと古市は不満そうにしていたがそこは有無を言わせず目的地まで徒歩となった

わずかに積もっていた雪は通った道を残していく。また夜になって雪が降ったら、このあとも消えてしまうんだろうなと 頭の片隅をよぎり、らしくないと苦笑した
白い息も、白い雪も。嫌いじゃない



「そこにいたら、見失いそうだな」


え、と漏れた声は周りの白さに吸い込まれていつもと違う響きに聞こえた


「頭に積もってんぞ」


「お、さんきゅ」


ぱたぱた叩いて冷てっ!と言っているこいつの手は少し赤くなっていて

寒さのせいか赤らんでる手と頬を見ていたらやっぱり冬って良いなと思った




何見てんだよと言いながら先を歩いていく古市の後ろ姿は、やっぱり同化しそうな位白かった


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何が書きたかったのか…



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