大学生設定



「ところでさ」

「へ、何?」

「ブン太ってもう免許取った?」

「免許?車の?」

「うん」

「とーぜん!とっくだぜい」

「いつ頃?」

「1年の夏休み」

「どれくらいで取れた?」

「仁王と短期で一緒にとったからなー、2週間くらい?」

「ふーん」

「なんだよい」

「べーつに」

「幸村くん免許持ってねえの?」

「は?失礼だな、持ってるよ」

「じゃなんでそんな話.....お!仁王ー!!!」



「ようぶんちゃん。幸村えらい久しぶりじゃな、免許とれたか?」

「えっ、幸村くん免許持ってるんじゃねえの?」

「いんや?先月入校したばっかぜよ。のう幸村」

「は?仁王何言ってるの?俺が免許持ってないわけないじゃない」

「おまんさんほんに意地っ張りじゃのう」

「えっ、どっち?幸村くん免許ねえの?嘘ついたの?」

「嘘ついたの」

「なんでばらすのさ、しね仁王」

「理不尽!どう考えても嘘ついた方が悪いじゃろ」

「大学4年の秋にもなって免許のひとつやふたつも持ってないなんて恥ずかしいだろ!」

「じゃから早く取りんしゃいって言ったんに」

「うるさいな、すぐ取れると思ったんだよ」

「なに、幸村くん免許手こずってんの?」

「...........」

「おまんさん次々と墓穴掘りよるのう」

「うるさいなあもう!!手こずってんの!手こずってますけど!なにか!」

「うわ逆ギレかよい!」

「どうせ俺らはみんな神奈川と都内くらいしか移動しないんだから免許なんかなくたっていいんだよ。電車最高」

「就活のときつっこまれなかった?」

「免許ありますって嘘ついたから、俺」

「最低じゃな」

「もう放っといてよ」

「まってまって、何がダメなの?学科なんて幸村くん頭いいから余裕だろい?技能?」

「しらないよ。見極め3回仮免6回落ちてるから、要はそういうことなんじゃない?」

「そんな落ちてんのかよい!よく見極め通ったな」

「教官をちょっとね」

「うわあ....退くぜよ何やったんじゃ......」

「でも仮免は脅しても全然なんだよね」

「教習所って脅したもん勝ちじゃねえから」

「分かってるよそんなこと」

「拗ねないで幸村くん。大丈夫だって、運転だって向き不向きあるぜい」

「俺に不向きなものがあるなんて考えたこともなかった」

「幸せなやつじゃな」

「うるさいな仁王。轢き殺すよ」

「こわい」

「別にいいんだよ。俺以外に免許取れてない奴なんて沢山いるだろ?」

「言いづらいけどテニス部であと取れてないのって幸村くんだけだぜい」

「嘘」

「本当ぜよ」

「まって、赤也は?赤也はまだだろう?」

「あいつ格ゲーうめえし、グラン◯ーリスモすげー得意だったから、技能はすぐパスできたぜい。学科は手焼いてたけど」

「赤也に負けた......」

「まあそのうち取れるって」

「世の中の運転できる奴ら全てが信じられない」

「幸村くんが珍しく弱気に」

「そりゃ弱気にもなるだろ」

「ちなみに何が苦手なん?」

「お!そうだよい、何が苦手かわかれば俺たちアドバイスとかできるかも!」

「なにって....」

「色々あるだろい、クランクとか坂道とか」

「クランクより坂道の方が苦手かな」

「マニュアルは難しいよなー」

「あんなにギアあるなんて知らなかったし。ブン太も仁王もあれ操作できるの?」

「あー、うん、まあ」

「慣れぜよ」

「それだ!それだよ幸村くん、慣れだよ!まだ入校したばっかりなんだろい?まだ身体が車に慣れてないんだって」

「そうかなあ」

「そうそう、あれだぜ幸村くん。短いスパンで詰め込んだ方が良いかもしれねえぜい」

「割と行ってると思うんだけどなあ」

「先月入ってどれくらい行ってんの?」

「週6」

「「えっ」」

「ほらね、多いだろ?そうやってすぐ馬鹿にする」

「し、してねえだろい!幸村くんがんばってんなーってさ!」

「ふーん...」

「まあそんだけいってりゃ嫌でも免許とれるぜよ」

「そうそう!」

「でも俺教官2人病院送りにしてるんだよね」

「は?まってまって、なに、幸村くん暴れたの?仮免受からなすぎて?」

「ばかだな、そんなことしないよ。俺側の車体が壁につっこんだのに教官だけ勝手に怪我したんだよ」

「なんそれ悪運強すぎるじゃろ」

「俺だって知らないよ。もうちゃんとブレーキ踏んでほしいよね」

「2人ともぶつけたの?」

「ううん、1人は模範で運転してくれてるときにちょっと」

「ちょっとなんじゃ」

「いや、これ怒られそうだから」

「怒らん、怒らんけえ言ってみんしゃい」

「俺にダメ出してきたからイライラして」

「「うん」」

「ちょっと、ちょっとなんだけど」

「「うん」」

「イップスを.......」

「最悪じゃ!!!幸村のばか!」

「幸村くん、もうだめ、運転しちゃだめだわこれ」

「ほら怒るじゃん」

「当たり前だろい!」

「もう俺免許とれないのかなー」

「諦めろい。この調子だと免許とる前に刑務所だぜい」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

運転下手村
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -