笑うしかない

恋愛観について話していた。土方は友達から告白されたい、と言った。友達から発展して恋人がいいらしい。しかし彼にはからっきし女友達なんてものは居ないから、そりゃ無理な話だろ。と笑った。彼は心外そうに眉を寄せた。
「坂田は?」
「美人」
即答すると周りから笑いが起きる。坂田らしいね、なんて言われてそれこそ心外だったりした。
「坂田はたらしだからなあ、男からもモテるんじゃねえの」
誰かが横から小突く。
「顔がいいならいいよ、男でも」
冗談まじりで言うとまた周りから笑いが起こる。
「本当に坂田が、彼女ですって男連れてきたら笑うしかないよな」
ホモだなんて冗談じゃない。やっぱり可愛い女と付き合いたいもんだ。クリスマスまでに彼女を作ろう、などと無謀な誓いをたてて、友人達と別れた。
翌日いつも通りの時間に登校すると、下駄箱で土方と鉢合わせをした。おはよう、と片手を上げると土方もにこりと微笑んだ。
「クリスマスってもうすぐだよな」
土方が隣を歩きながらぽつりと呟く。クリスマスまでに彼女を作るなんて言う馬鹿げた言葉を本気にしていたなんて意外で、土方の顔を覗き込んだ。
「なに、お相手見つかんないの?俺が付き合ったげようか」
からかうように言うと土方に肩を掴まれた。
「坂田、本当に付き合ってよ。俺、好きなんだよ」
掴まれた肩から手を振り払うことも出来ず、ただ笑うしか出来なかった。





学生土方はがちなほも


(101206)





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