休日

ソファに沈み込み、テレビを眺める。向かいのソファで坂田は寝転がってジャンプを読んでいる。無意識のうちにくわえた煙草に火を近づけていた。あ、と自分の間抜けな声と彼の咎めるような声が重なる。
「禁煙」
「つい」
ごめん、とライターと煙草を胸ポケットにしまいなおした。またテレビに目を戻す。彼もジャンプに視線を落とした。害もなければ善いこともないバラエティ番組を時々笑いながら見る。くだらないなあ、なんて思いながらも見ている自分がおかしかった。何の気無しに彼の方を見るとたまたま同じ瞬間に顔を上げた坂田と視線がぶつかった。
「…せっかくふたりだし、セックスでもする?」
ジャンプを掴んだまま、ぼそりと低い声で呟いた。
「テレビの方がいい」
答えると彼は、俺もジャンプのがいいや。と真顔で言った。相変わらずテレビからは馬鹿みたいな笑い声が弾けていてつられて一緒に笑った。




お互い好きだからこその距離感


(101201)





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