本当はこんな質問に意味は無いのだけれど、彼の口から彼の声で、聞きたい。
じっと見つめると、藍色の瞳は戸惑ったように揺れる。けど知っているんだ、決して怖いはずじゃあ無いって。
ややあって、諦めたような溜息と共にスプレンディドが目を反らした。
「…好きにすれば良いよ」
その好意に大いに甘える事にしよう。頬にひとつキスをして、頭を打たないように手を敷いてから押し倒す。
耳を甘噛みしてふっと息をかけると、ああやっぱり、今度は生理的な涙をこぼしていた。
「今日はよく泣くね」
「……全部君の所為なんだけどさ」
「スプレンディドが悪いよ」
「…今日の君は少し理不尽だよ」
彼が怯えたような目をしている事に気付いて、ああそう言えば、まともにするのは久しぶりかもしれない。背中に回された腕がぎゅうと軍服を掴んだので、「痛くしないから」と言えば「嘘は良くないよ」と返された。二人で目を見合わせ笑う。
鎖骨に光る銀色のチャームは、変わらずそこで鈍く輝いていた。願わくは、また来年もこうして彼と過ごせますよう。

happybirthdaytoyou!







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