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「今日から肉体操作の訓練を開始する」

私がHUNTER×HUNTERの世界だと気付いてから早いもので、あっという間に3歳になってしまった私達。
最近漸くキルアとまともに喋れるようになって嬉しく思います。
流石、私の双子のお兄ちゃん。感覚も私と似ていて、一番まともで、純粋。まぁ、まだ殺人訓練は序盤で、肉体造りがメイン。ゲーム感覚で訓練を受けているから私としても忍のスキルがあるから楽しい。

だけど、上の兄達は速くも(と言っても、前世の私もあの位には任務で人は切っていたから何とも反論しがたい)殺人依頼を請けているらしい。
よって、イルミ兄さんは私達に人体の急所は何処かを会う度に教えてくるし、ミルキ兄さんは私達の通る所にトラップを仕掛けるのに嵌まっている。

家族の団欒でも毒入り料理に、話しのネタはゼノおじいちゃんの昔の武勇伝やら、殺人術にまつわる知識トーク。

(…楽しくない)

キルアは好奇心があるみたいで、笑顔で聞いているけど、まだきっとそれがどんなに普通でないかの自我と言うものが確立していないからだと思う。
だからこそ、純粋だと、思う訳で。
でも、このままだと確実に殺人鬼にへと進んでしまうのは明らかだった。
原作のキルアは確かに、人殺しはもう嫌だと言っていたけど、ここには私がいる。
つまり、前世でもそうだったからこそ思う事、原作とは違うキャラクターになってしまう可能性が高い。
良くも悪くも、あの人がそうだったから…


そうして、日々不安感を持ちつつ過ごしていたら、お父さんからの冒頭の台詞。

つまり、あれだろう。
原作キルアもやっていた爪を鋭くする技ですね。

びきり

「すごぉい」

見せられたお父さんの爪。
キルアはキラキラとした目で驚くだけだったけど、私は違った。瞬時に変わったその長さ、鋭さに背筋に冷汗が流れる。

あれで心臓を抜くとは、流石に知らなきゃ考えも着かないよ。

「まずは手の感覚を極限まで研ぎ澄ますこと。どこを触ればどう神経が反射を起こすか、そして爪の成長も測る…」

とても3っつになる子供に分かる内容では無いように思えるのに、何故かすんなりキルアも私も頷けるのは、きっと普段の日常会話のせいに違いない。

「イロハ、どっちがはやくできるかきょうそうね」
「えっ、うっ、うん?わかった」

特に何がある訳でもないが、キルアはよく私にこう話しをふってくる。精神年齢上な私は大体そつなく物事を熟してしまい、(不審がられても嫌なのである程度手は抜くけど)こういった訓練はキルアの方がやや修得が早いのでおそらく兄としては私に勝てる所であるから張り合いたいって所なんだろう。

私はいつものように頷いて承諾した。

「よし、おれのほうがさきにできたよ!」
「うっ…あとちょっとなのに」

それからその技を二人とも修得したのは十日後の事。

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