考察「試験官から離れてしまった。どうやって次の会場に行けばいいか…」
「それなら大丈夫」
「ん、問題ないよ」
クラピカの不安にゴンはニコッと答え、それに続いて私も肯定した。
無駄に師匠とサバイバル生活をしてる訳じゃない。原作でゴンが行っていた臭いを辿る芸当を私も死ぬ気で身につけた。
野生の生物は臭いや音で危険を察知しているから、私もそれを見習ったまでだ。
「こっちだよ!」
「そんなにはっきりわかるのか?」
「うん!」
通常の嗅覚のクラピカは、辺りの臭いをかいでもやっぱり分からないみたいでゴンに驚きを示して聞いていた。
「レオリオのつけてたオーデコロンは独特だから数qくらい先にいてもわかるよね」
「そうだね」
後を着いて行く私にゴンは、振り返って聞いて来たので、クラピカに申し訳ないと思いつつ頷いて答えた。
「!ユラギも分かるのか?」
「うん。ゴンを追い掛ける時に、キルアに臭い袋を持たせて来たからその臭いを辿れる位には鼻が利くよ」
「そ、そうか」
少し落ち込ませてしまったみたいだった。
「まぁ、臭いがなくても平気だったようだけどな」
お詫びと言ってはあれだけど、取り敢えずフォローは入れようと言葉を口にする。
「?」
「そうだね。まるで道標みたいに動物の死体が転がってるから、たぶんヒソカを狙って逆にやられたんだろうね」
「確かに」
私の言葉に同意する様にゴンが台詞を引き継いでくれた。どうやらここは原作の通りらしい。
危険を一つ回避出来た、と安心した矢先ゴンが話し出した。
「ねぇクラピカ、ヒソカが言ってたオレとレオリオやユラギは合格って一体…どういう意味だと思う?」
途中から割って入ったからゴンは意味が分からないのは当然だろう。私もまさかの合格を言い渡され、殺されなかったのは良いものの、目を付けられたのは落ち込むしかなかった。
「奴は試験官ごっこだと言っていた。つまりヒソカは我々を審査してたのさ」
「どうやって?だってオレヒソカに首を絞められて何も出来なかったし、ユラギが来なかったら危なかったよ」
「その前にあいつに一発くらわせたんだろう?」
ゴンの疑問にクラピカは冷静に考察を述べている。私がいたせいで原作と台詞が違ってるみたいだけど、これくらいなら問題ないだろう。
「でも、レオリオは殴りかかって逆に倒されちゃったよ。それでも合格だって」
うん。確かにそうだろうけど、あれはそんな事で判断したんじゃない。
資質の問題だろう。
私は念が多少なりとも使えるから、発展途上と判断されたに他ならない。
「"今殺すにはおしい人材だ"そんな風に考えたのかもな」
ぼうっとしてる間に話しは進んでいたらしい。クラピカの話しはいつの間にか終っていた。
「」
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