ああ、愛しき片割れよ
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意識は母親の胎内にいる時からあった。

(ああ、私はまた命を与えて貰えたんだ)

前世である自分が死んだ時を思い出して、ほっとした。私が生まれ変わる事ができたんだから、きっと皆生まれ変われる。
皆覚えてることはないだろうけど、それで良い。あんな記憶、私だけが覚えていればそれでいい。

ふと隣にいる存在に気付いて、私は大きく奮えた。目は見えないけど確かに解るこの温もり。間違いなく、胎児の存在。

(双子、なんだ…)

とくり

感じるもうひとつの鼓動は自分と同じで、手探りで、その主の手を探した。

(ちっちゃい、手だ)

思わず嬉しくて緩む頬。
きゅっと握り返してきた手にじんわり心が温まる。

血を分けた兄弟の存在。前世で両親も兄弟も居なかった私には、施設の人や子供達が家族だったけれど、、はっきりと感じる母と兄弟の存在に、私はとにかくただ喜びを噛み締めた。



ああ、愛しき片割れよ




この記憶はいつか消えてしまうかもしれない。
だけど、気持ちだけは消えてしまわないで。

今度こそこの小さな命を、私は護りたいのです。



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転生第二段。
暗い過去の記憶をもつ主人公設定。


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