理由「レオリオ!!」
「ほっとけよ。遊びじゃないんだぜ、ゴン」
途中レオリオの足が止まった。ゴンが気付いて振り返っていたから、キルアはそれを無視しようと言った。キルアの言う通りだ。だけど、それがレオリオでは気分が悪い。
「レオリオ!諦めたら終わりだぞ!」
どこぞの熱血だとも思うけど、黙って見てるのは性に合わない。
原作では平気だった。大丈夫だって分かってる。それでも、ほっとけないと思ってしまったから。
「絶対ハンターになったるんじゃーーーー!!」
そして、叫びながら走りだしたレオリオに、私やゴンは安心した。その後、レオリオが落とした鞄はゴンが持ち、キルアとはなんだか仲良くなっていた。
「いつの間にか一番前に来ちゃったね」
「うん。だってペース遅いんだもん」
「多分そんなこというのキルア位だよ…」
結局私はゴン達と並んで走る事にして、階段になった所でサトツさんの直ぐ後ろを着いて行く様になっていた。ゴンはちょっと汗をかいているのに、キルアときたら、余裕な顔で遅いとか、ちょっと流石としか言いようがない事を宣ってくれた。確かに、私も余裕なのだか、前世での一般論から言わせりゃ、怪物的発言に、コノヤローと殴りたい勢いだったりする。
「なんだよ、ユラギ、お前だってそうだろ?こんなんじゃ、逆に疲れちゃうよなーー」
ゴンは息を少し上げながらキルアの言葉を聞いている。
「確かに、俺の感覚では今の所キルアと一緒。だけどな、言っとくがこれはハンター資格試験一次だぞ?中には一般人に近い奴が殆どなわけ!そんな人の中でんな事言えるかよ、可愛そうだろ…」
「なんだよ、結局一緒じゃんか!なら結構ハンター試験も楽勝かもな、つまんねーーの」
「うわっ、ムカつく奴」
「言ってろ、言ってろ」
ニヤリと笑うキルアに、私は何時も呆れるばかりだ。まったく、大人以上に頭は良いくせに、子供だから質悪い。
「キルアは何でハンターになりたいの?」
とそこで、今迄黙って聞いていたゴンが質問をしてきた。私は一瞬その経緯を思い出して背筋に嫌な汗が流れた。
「オレは、別にハンターになんか、なりたくないよ。ものすごい難関だって言われてるから、面白そうだと思っただけさ。でも、拍子ぬけだな」
うわぁ、キルアの意見は自分の力を試す様なものだ。キルアらしいし、凄いと思う。けど、マネできない。
「なんだよ、ユラギ?変な顔して。お前だってそうじゃないのか?」
きっと、苦い顔でもしていたと思う。まさかの質問が私に来た。ああーきっとキルアにゴン達に言ったと同じ事を言っても、間違いなく、突っ込んでくる。
「あー…俺さ、死にたくないんだよねぇ」
「は?意味分かんねぇよ、なんで試験受ける事とそれが関係あんだよ?」
やっぱり、突っ込んで来たキルアに、まぁ、いっかと、別に隠す必要ないしと言うことにした。
「試験を受けるより、師匠の我が儘聞く方が命掛けだからだよ」
「…?」
「ああ、なるほどな」
一緒になって聞いていたゴンは、訳が解らない様で不思議そうな顔をし、キルアは私の師匠談議を聞いている為納得した様だ。
「それで、試験受けるのを口実に、師匠から離れた訳か」
「そうとも言えるし、そうとも言えない。実際試験受けて来いって勝手に申し込んで、強制的に送り出したのあの人だし…」
思い出して沈むと、キルアは爆笑だ。
「ぶはっ、何だそれ、流石だなぁ。んで、ゴンは?」
笑いが治まると、漸くゴンにキルアは話題を切り替えた。師匠談議はキルアだから話せる様なものだ。ゴンには下手したら気付かれるか、もしくは、あの師匠の事だ、勝手に自分の話しされようものなら笑顔の地獄特訓に違いないのだから。もうどうやって聞いたんだとか、その辺はあの師匠だからありなのだ。恐ろしい事に。
そんな考えに浸っていて、ゴンが理由を話しているのをおざなりに聞いていたら、とんでもない言葉が聞こえた。
「親父みたいなハンターになるのが目標だよ」
「どんなハンター?親父って」
「わからない!」
「あはは、お前それ変じゃん!」「そお?」
「……」
あっぶな!思わず奇声を発する所だった!ゴンが師匠見たいなのを目指したら大変だ!確かに、優れたハンターだとは思う。けど、あの大人は、人を巻き込むのだ。死の淵まで。そんなの、無理だ。なっちゃダメ…って叫びそうになった。
そうしている間にも、ゴンが父親がハンターと知った経緯を話していた。どうやらカイトさんに出会っていたらしい。
「カイトは自分のことみたく自慢気に、とてもうれしそうに話してくれた。それを見て思ったんだ」
オレも親父みたいなハンターになりたいって
感動する所、なんだ。当時は確かに主人公凄いと思ったんだ。だけど、どうしても頷けない。だって、カイトさんが言う師匠像は、師匠の半分しか見ていないから。
そうこうしている間に外に出た。
それぞれの動機そうだ、カイトさんで思い出したけど、ハンター合格したら、独り立ち出来るんじゃん
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