開始
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ジリリリリリリ

盛大な音で受験生の注意は一斉にそれを持った人物に集まった。
スーツに身を包み、髭をはやした英国風の中年男性。見ただけで分かる。試験官のハンターだと。
ハンターは皆念の使い手だと言うのは本当らしい…

「ただ今をもって受付け時間を終了いたします」

どうやらこれでハンター試験を受ける資格がある者は全て揃ったみたいだ。

「では、これよりハンター試験を開始いたします」

前の方で試験官はサトツと名乗っていた。それについて来いってことは…一次試験はとにかく持久力と精神力が試されるみたいだ。走り出した前にいる受験生を追うように私達も走り出した。

(うーん、歩っているように見えるけど、これだけ速いって事は、念でも使ってるかな)

などと客観的に思考を働かせでもしない限り、外に出るまでは暇だと分かっていた。

「変なテストだね」
「うーん、でも必要何だと思うけど」
「さしずめ、持久力試験ってとこか。望むところだぜ」

意気込むレオリオと余裕な様子のゴン。黙って走るクラピカは体力の温存かな。本当によくもバラバラなメンバーだと感心する。と、クスリと笑った所で、脇を横切った人に私達は視線を一瞬奪われた。
体型からしてゴンと同じ位の子供だ。あっ、スケボーとかいいな。私も持って来れば良かったなぁ…って、この登場は確か、原作にもあったな。

「おい、ガキ汚ねーぞ!そりゃ反則じゃねーか、オイ!」

なんて考えた一瞬のうちに、レオリオは、いきなり子供相手に食ってかかっていた。

「何で?」
「何でっておま…こりゃ持久力のテストなんだぞ」
「違うよ。試験官はついて来いって言っただけだもんね」

いきなり怒鳴ってきた大人に、嫌な顔をするわけでもなく、平静に返してきた少年は、銀髪で、猫目。やや生意気そうな口調は、どこかで覚えがあった。あれ、何処でだっけ?

「テストは原則として持ち込み自由なのだよ!」
「〜〜〜〜!」

クラピカの一言が決定となって、口論は終わったみたいだ。レオリオはだいぶ不本意そうだけど…

「……ねェ、君、年いくつ?」

少年はゴンに視線をやると、興味を持ったのか声を掛けて来た。

「もうすぐ12歳!」
「……ふーん。やっぱ、オレも走ろっと」

ゴンの返答を聞いて走る事に変更した少年は、走りながらスケボーを降りた。おっ、カッコイイなぁ。ゴンもそう思ったようで、素直に言っていた。

「オレ、キルア」
「オレはゴン!」
「オッサンの名前は?」
「オッサ…これでもお前らと同じ10代なんだぞオレはよ!!」

キルアと名乗った少年に、やっぱり、聞き覚えがあって…前世ではない筈なのだけど。と考えていたら、ゴンの名前を聞いたあと、キルアはあろうことか、レオリオをオッサン呼ばわりだ。けどそれに対するレオリオの返答に、私も素で驚いた。

「「「ウソォ!?」」」

「あーー!?ゴン!ユラギまで…!!ひっでー、もォ絶交な!!」

レオリオは傷付いたらしく、びしっと私達に指を指すと憤慨してそっぽを向いてしまった。クラピカは逃げてしまった。恥ずかしいと思ったのかな。ああ、もう本当面白い人達だなぁ。

「ユラギ!?お前、ユラギか!」
「え?」

と、さっきまでゴンに気を取られていたキルアは、レオリオが言った私の名前を聞いて、私をいきなり呼んだ。しかも驚いたように…何、私何かしたっけ?

「おまっ、覚えてねぇのかよ?6年前だぜ」

「6年前…」

それを聞いて記憶を辿る。キルア、6年前…と繰り返す様に呟く。すると、さっきまでもやもやしていた記憶が急に鮮明になった。

「って、ああ!思い出した!そうだ!久しぶりキルア!」

6年前、私が4歳だった時だ。確かに私とキルアは会っていた。

「お前相変わらずチビだなぁ」
「ひどっ、人の気にしている所を!いいの!まだ成長期なんだから!」

懐かし!キルアには良く身長の事で馬鹿にされていたっけ。

「知り合い?」

そんな私達のやり取りを見て、ゴンが聞いてきた。知り合い、か。うん、多分そうなんだろう。

「ああ、まぁね。ちょっとした知り合いだよね」
「ん、」

私が答えると、キルアも肯定していたのでいいのだろう。まぁ、さっきまで思い出せなかった私が言うのもどうかと思うけど…

「へぇ。そうなんだ」

ゴンは納得したのか相槌だけしてそれ以上深くを聞いては来なかった。


久しぶりの再開

ところで何でそんな格好なんだ?

えっ、だって声掛けられるの面倒だったから

ふぅん、まぁいいんじゃん?動きやすくて


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