自己紹介
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「あらためまして、俺ユラギです」

ナビゲーターのキリコの後を着いて行きながら、師匠の子達三人と挨拶を交わす。

精神面では前世の記憶がある分、この中では最年長なのだけど、肉体年齢は10歳と最年少だ。仲良くなる前にタメ口はないだろうと改めてみた。今更感は、この際置いておく。

「オレはゴン」
「レオリオだ」
「私はクラピカ」

よろしく、と笑って言い合うと、最年長であるレオリオが今更敬語はいいぜ、子供が遠慮すんなと言われた。せっかくなのでそのお言葉に甘えて呼び捨てにさせて貰おうと思う。

「挨拶も終えたところで、会場に着いたぜ。向こうの建物だな」

どうやらすぐ近くで私達は出会っていたらしい。

「「これが(あれが)会場か」」
「うわー」

レオリオと私の声が被る。だけど、私だけが三人と向いている方向が逆だった。

「あれ?」
「おいおい、ユラギいくら何でもそっちの定食屋と間違えるなんてないだろ」

私が疑問の声をあげると、すかさずレオリオの呆れたようなツッコミが入った。やばっ、私間違ったか!

「はは…ユラギ、ハンター志望者がそんなに少ない筈ないよ」

クラピカからも軽く笑われてしまった…恥ずかしい。

「えっ、どうしてそっちだと思ったの!?」

ゴンは普通に驚いている。純粋過ぎて、私の馬鹿さ加減が浮き彫りだぁー!!ある意味ゴンの言葉が一番心に刺さったよ…

「いや、こっちであってるよ」

するとキリコからの助けの声がかかる。めちゃくちゃ目が笑ってますよ、キリコさん…笑うなら、声を出して下さい。傷付くから!

「冗談きついぜナビさんよ。まさかこの中に全国から無数のハンター志望者が集まってるなんて言うんじゃねーだろ」

納得いかないレオリオは、直ぐに思った事を口にしてしまうタイプの様だ。他の二人も思っていたらしく、反論しなかった。本当に良い組み合わせだな。

「そのまさかさ」

どうやら試験会場にたどり着くまでも試験の様で、解りやすくては意味がないのだろう。それに間違っても一般人が混じってしまうこともない。


***


「いらっしぇーい!!」

定食屋に入れば店主らしき人がカウンターの中で炒め物をジュージューさせながら挨拶してきた。

「御注文はー?」

「ステーキ定食」

中華鍋の中を見つつ掛けられた声にキリコは迷わず答える。ピク、と明らかに空気の変わる店主は、今日何回も交わしたであろう台詞を言うんだ。

「焼き方は?」

「弱火でじっくり」

そう!それ!私は思い出せなかった答えが漸く出てくれて、内心で叫んでスッキリした。あいよー。と店主の声を聞きつつ、女の店員さんに奥へと案内され着いて行った。

そんなスッキリな顔の私とは対照的に、キリコとのやり取りを見ていて、クラピカは何だそれ、って感じの顔だし、レオリオ何かは目が点だ。ゴンは意外と何も表情に出ていなくて、何を考えているのか分からない所が師匠にそっくりだった。

(何だか見ていて飽きないな…)

師匠に言われた通り、ゴンの様子を報告する為に観察しているが、始めは嫌だったのに、意外と楽しんでいる自分に気付いたら何だか可笑しくて笑えた。

クスリ、笑った顔が優しく微笑んでいる私に気付いたのは三人の後を着いていく私の後にいたキリコだけだった。


原作の三人組

私も仲間に入りたいな。

面白いグループだなこのルーキー達は


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