出会いました
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「大丈夫?レオリオ」

「ああ、ちょっと驚いちまっただけだし、大した事ないぜ!」

驚かせてしまった人の名前を聞いて驚いた。見たことあると思えば、まさか、原作キャラとの遭遇とは!
そして聞こえた子供独特の声の持ち主、は…

ちらり、見えたその姿は、緑色を基調とした上下の服装に、短い髪を立てたつんつん頭。釣竿。
間違いない!
師匠の息子!!

「それにしても、君大丈夫?」

「えっ?」

「うずくまってたから、具合でも悪いのかと思ったんだけど」

金髪の美人さんに心配の声を掛けられ、記憶を漁る名前。えっと、何だっけなぁ…生まれ変わって何年も時が過ぎてしまうと、これだから困る。よって、もう、名前を聞くまでは美人さんだ。

と、その美人さんの指摘ではなんと、この出会いは私がうずくまっていたからの偶然のようだ。うわっ、恥ずかしいっ!

「えっ、ああ実はハンター試験会場に向かっていたんだけど、肝心の合言葉を聞き忘れて困ってた所で…」

実は前世で合言葉は知りました、なんて言える訳無いが、取りあえず嘘を言っても仕方ないので正直に言う。

「えっ!君もハンター試験の受験者なんだ!?オレ達もだよ!」

すると師匠の子は驚いた後、嬉しそうに、笑う。その笑顔を見て、ああ、似てるな、と思った。
活発で、やんちゃ、如何にも意思が強くて純粋な瞳の色だ。
うん、嫌いじゃない。
だけど、なんだかやっぱり、周りの人間を巻き込みそうなタイプだ…

「そうなんだ!!良かったぁ。俺と同じ年位の子供も居てなんか安心したぁ」

とにかく初対面でいきなり名前なんか呼べないし、説明するのも面倒だから、会えた事に喜んでおこう。

「ゴン、そっちの子も一緒に来るのか?」

すると、頭にターバンを巻いた男が、師匠の子に話し掛けてきた。その姿を見て、違和感。なんか、人の匂いではなく、どちらかと言えば、獣臭い。
しかも、ちょっと嫌な顔をしている。あー、そっか、彼はナビゲーターか。そりゃ審査もなしに連れていくのは、どうかと思うよね。

「えっ、ダメなの?」

案の定、師匠の子はその彼に向かって驚いた様子を見せる。あー、他の二人は気付いたみたいだ。

「あっと、俺の事ならお構いなく!そちらのナビゲーターさんの審査もなしに同行なんか悪すぎるし?」

「!」

一瞬変わるナビゲーターさんの表情。変な事を言ってしまったかと思ったが、殺気は感じなかったので私は、ヘラリと笑って一端そこを離れようとした。

「待ちな、あんた名前は?」

そこで、引き止められた声に振り返れば、ナビゲーターさんはニヤリと言った感じに笑っていた。

「えと、ユラギ…だけど」

「いいぜ、ユラギ。気に入った。試験会場まで案内するぜ」

「ほんとに!?」

いきなりの変わり様に驚いたけど、許可してもらえたなら食いつかない手はない。

「ああ」
「ありがとうございます!」

よっし、これで師匠との約束は果たせる。罰と言う名の地獄特訓も回避だ。


ナビゲーターゲット


何も言ってないのにオレがナビゲーターだなんて分かるとはな…
今年のルーキーはほんとに面白いな


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