お使い
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「おい、ユラギ。お前ハンター試験を受けて来い」

10歳になったある日、師匠(せんせい)ことジン・フリークスは「ちょっとお使い行って来い」なノリで私に、ハンター試験受験票を渡してきた。

「はい?えっ、なんでですか?」

いつもの事ながらの突然の要求に、最近漸く慣れて「はい」と何でも何とかしてきたが、今回ばかりはそんな一言で返事なんて出来るわけなく聞き返してしまった。

これをすると、振り回されるパターンの始まりなのだから、私は嫌な予感しかしない。

「今年のハンター試験、オレの息子が出るからだ」

「は…?」

その台詞に何だか理由が分かってしまう私は、師匠曰く最高の弟子(都合の良いパシリ)だとか。
まずい、言っていて哀しくなってしまった。

「だから、試験に行って、息子の成長を報告してくれ」

これ、旅費とオレ自作の携帯な♪

にっこりと、笑って投げて寄越された荷物を、私は余りの根回しの良さに唖然としていたら思わず受けとってしまった。
それを確認したとたんに、師匠はさっと取り出したカードを発動した。

「レルゲイト、オン!ユラギ」
「ちょっ、まっ…!」

見た事あるカード。それは師匠が仲間と作ったゲームの呪文の一つで…

バシュッ

反論する余地のないまま発動をされたそれに、否応なしに私は飛ばされた。


突然の出発

って、あれって何処に飛ばされるかわかんない奴じゃん!


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