プリティーな子供たちとの同居生活も二日目を迎えましたおはようございます私です。

さてさて朝と言えば有名なイベントがありますよね?


そうですその名も寝起きドッキリ!(どーん)

昨日から楽しみにしていて軽く睡眠不足とかじゃ無くもないような気がしなくもないんですが。
まぁその分愛らしい寝顔を拝み倒す所存でございます。


さぁ愛用の携帯を持っていざ出陣!!






「…何やってんだ」


「オギャーーー!!ってす、傑!?おおおおは、おはようごぜぇますだ!」


「…はよ」


「よし挨拶できて偉いっ…てかお早すぎるよ!まだ六時なんですが!?」


にやける口を抑えつつお子様たちが眠る部屋へ行こうとした私であった。
が、背後からまるで道端に捨ててあった飲み残しの空き缶(腐りかけ)を見る目で声を掛けた野郎により作戦は失敗に終わる。
なにゆえ起きているんだせっかく寝顔写メろうと思ってたのに…!


「…他所の家に泊まるとあんまり眠れないんだ。笑うなら笑えよ」

私が噛みつくと気まずそうに答える傑。
そんな小さな彼を見て、私は……







「ぶはっ!あっはっは神経質ぅー!見た目によらず繊細なんだマジうけるんですけど(笑)」

「なっ…!」


軽くサド心が擽られてしまい、盛大に笑ってやった。
だってこの子見た目とのギャップがありすぎなんだもん。

傑はかっとなっていたけど歯向かう言葉を持っていないらしく悔しそうに肩をわなわなさせている。

やめろしお前本当に可愛いんだから!


「わっ笑いすぎだ…!」

「ごめんごめん。ありゃ傑、隈できてるね」


傑の怒りを軽く流し、よくよく彼を見るとつり上がった目の下には似つかわしくない隈が。

思ったより深刻かもしれないと内心で反省する。

睡眠不足は成長中の子供によろしくない。

子供だから平気だと高をくくって夜更かしばっかりしてると大人になってから後悔するんだから!
ああ当時のもち肌が懐かしい…。
あ、しまった私の話じゃなくて。


「…紗弥?」

「よし傑、もっかい寝よう」

「は?」


目を点にさせた傑の手を引いて入るは彼らの寝室。
そこには愛らしくスヤスヤと寝息を立てるエンジェルが…。



「ちょ、何だよアレ予想以上の破壊的な可愛さなんだけど。え?駆はガチで天使様だったの?」

「その気持ち悪い顔どうにかしないと今すぐ追い出すぞ」

「無理ムリこれは誰が見たってにやけるわ。ていうか一応ココ私の家だから」


小声で会話する私達(可愛い天使を起こす訳にはいかないからね!)だが鼻を押さえる私に辛辣な視線を寄越す小悪魔。

なんかコイツ私の扱いに慣れてきたよな…。


密かに毒づいてみるも年下にあしらわれているという事実は考えるだけで虚しくなったから止めた。


そこで目的を思い出し、傑を持ち上げてフカフカの(結構高かった)布団に寝かす。


「っオイ…」

「シィー。駆が起きちゃうっしょお兄ちゃん?」


反論する口元を人差し指で塞いで黙らせる。
それでもこの事態に納得がいかないらしい傑は目で説明を求めた。


「美人のお姉さまが添い寝して差し上げようと思ってね」



そう、大人っぽく振る舞って傑が『…ばかじゃねぇの…っ』って頬を赤くしてくれるのを期待していたんだ私は。

期待していたんだ。(二回目)






「…………はっ」


「…お前はとことん予想を裏切ってくれるよなぁすぐるーん?小学生に鼻で笑われたのは初めてだ!お望み通り永眠させてやろーか?」

「うるさい駆が起きるだろ」


顔を赤くするどころかめっちゃ蔑まれました。
この子本当に小学生ですか逢沢さん。
私のせいでこんなに生意気な性格になってしまってたらごめんなさい。


「口では何とも言えお子ちゃまめ。大人の力に敵うはずなかろう!」


隙を見て傑を抱き込み布団の中へイン!

結構なお値段に等しく大きさもでかかった布団は私が入ってもまだ余裕を持っていた。

てゆーか…


「え、なにこれ暖か!子供体温パねぇ!!」

「ちょ、やめろ離せこの変態!」

「だが断る」


だって初夏の朝って冷えるじゃん。
昔から冷え性に悩まされてきたこの私が易々と湯タンポを手放すと思うてか。


「あー温い…傑、お前ら冬に一人は欲しいな…」

「ふざけんなド変態!」

「うん変態ですありがとう…」


ヤバい、慣れない早起きとかしたせいでスゲー眠い…

傑も大概優しいよね、嫌なら本気で抵抗すればいいのににににに…



*****


「…紗弥、寝たのか」


俺を抱いたまま潔く眠りにおちていった紗弥。
寝息を確認すると困ったようにため息がこぼれた。

「俺よりお前が先に寝るとか本っ当にばかじゃねぇの…」


昔から神経質過ぎることに悩んでいた。
こんなんじゃ良くないのも自覚してはいる。

けど気遣われたりするのは居心地悪いし申し訳ないと感じるから嫌だった。


それをこいつは。紗弥は。


『ぶはっ!あっはっは神経質ぅー!見た目によらず繊細なんだマジうけるんですけど(笑)』


…まぁ腹は立つが、笑い飛ばしてくれたのは気が楽になったのは確かだ。
紗弥の持つ清々しくて晴れやかな空気は、割りと…す、好き…かもしれない。

…本人には絶対言ってやんないけど。


寝てても力強く絡んで離れない腕にもう一度ため息を吐き、脱出は諦めた。

途端に睡魔が襲ってきて、俺は大人しく身を任せることにする。

三人が眠る布団は昨日の夜よりずっと暖かく感じた。



ぽかぽか日和
(目覚めたらお昼でした)



「紗弥ちゃーん!寝よー!」

「明かりついてると眠れないだろ。勉強止めて早く布団入れよ」

「ざっけんなお前らの部屋は向こうだろ!なんでさも当たり前のように人の布団潜り込んでるんだ!?狭い!」



あの日からなぜだか寝るときは三人一緒になりました。
幸せだけど体が日に日に凝っていきます。
辛いと幸せって紙一重なんだと身を以って体験した二日目でした。





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