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どうしても送ると主張する傑を家が近いからと断り、彼に心配をかけさせないために駆け足で家に戻った。



「(あの時の動悸は何だったのかなぁ…)」


明日から忙しくなるというのに原因不明な彼の行動や自分の感情に振り回されそうになったので、余計なことは考えまいと思考を捨てる。




自室に戻ってベッドに倒れ込むと、今日一日の出来事が一気に駆け巡ってまた邪念が生まれてしまい集中が続かなくなった。




「あー違う違う!今は駆をサッカー部員に引き戻すための…」


まとまらない脳内に四苦八苦していると、携帯電話の機械的な電子音がそれを遮った。
飛び上がって着信相手を確認する。



「電話…祐介からだ。

もしもし?」



『千鶴、家に居るよな?』



「へ、うん。居るけど」



カーテンを開けて窓からお向かいを見ると、同じ二階の電気が着いた明るい部屋からこちらを見ている祐介と視線が重なる。



『―――良かった。今日はちゃんと帰ってきたな』


「う、ん?」


首を傾げて本意を尋ねると、彼は少し間を空けて答えた。



『昨日、お前の家に電気着いてなかったし。傑さんとこに泊まってるとは思わなかったから…その……心配、…した』


「…えっ!あ…ご、ごめん」


まさか心配されているとは思わなかったから、祐介の発言に謝るしかなかった。

気恥ずかしく言葉が見つからず、そんな微妙な空気が流れ始める。

お互い暫く沈黙したままだったけど、私は自分から話を切り出した。




「あ…のね、祐介。
私、明日駆を説得しようと思うんだ…」


『…そうか』


「今更遅いかもしれないけど、それでもやらないで後悔はしたくないから…」





『戻ってくるよ』


下へやった視線を動かすと、祐介が双眸を穏やかに緩めているような気がした。


『千鶴の一生懸命さは絶対に駆へ届く筈だ。
大丈夫、上手くいく。もっと自分を信じてみろ』


祐介はとっくに私の心に潜んでいた弱音を見つけ出していたらしい。

力強い励ましが嬉しく、後押ししてくれた理解ある彼に心から感謝した。



「ありがとう、祐介」


『あ、俺も一緒に説得するからな。側にいるって言っただろ?』


ニッと笑う彼はとても頼もしく、抱え込んでいた逃げ腰な気持ちはどこかに消えてしまっていた。



「うん…っ本当に、ありがと」


祐介の言葉に励まされた私は、忍び寄るカウントダウンが間近に迫ってきているのに気が付こうともせず笑っていて。
















最期の瞬間が、訪れてようとしていた―――――。



を聞
(ただただ後悔ばかりが残るのです)




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