お星さまを着飾る



今日は私の17回目の誕生日だ。
まぁ、簡単に言えば17歳になったってこと。
友達にお祝いと称し、いつも以上にイジられた。

―――あのドS共今日くらい普通に祝ってくれたっていいじゃないか!

過ぎ去ったことを思い返し、小さく憤慨しながら帰宅の準備をする。
入りたくもなかった委員会の会議が長引いてせっかくの誕生日なのに一人寂しく教室にいる私はなんなんだ。

―――私なにも悪いことしてないのに!

ヤル気がなくなりそうになって私は慌ててその辺に散らばってるであろうヤル気を集めてリュックをしょった。
この中には異様にお菓子が入っている。
なぜかっていうと誕生日プレゼントとしてドSな友人達がくれたからだ。

「オマエここにいたのか。」

丁重にリュックを扱いながら教室を出ようと入り口に向いたら泉が疲れ切った顔をしながら引き戸に寄り掛かっていた。

「どうしたの、泉?ていうより部活は?」

予期せぬ登場人物に首を傾げて本人に聞けば不愉快と言わんばかりに顔を歪めた。

「メール見てないのかよ。」

「え?....あっ!ごめんっ!
メール来たの気付かなかった!」

「あ゛あ゛〜....いい。今、見んな。」

ポケットからケータイを取り出し、メールを確認しようとしたら制止の声が掛かって、私は素直に従った。

「だからどうしたのさ?」

メールが気になるけど泉に怒られるのは嫌だから我慢する。

―――だって泉、怒るとかなり怖いんだもん!

「目ェ瞑れ。」

「泉クンは人に頼むってことを知らないんですかっ!?」

もう躊躇うことなく命令してきた彼は立派な俺様だよ!

―――なんなのさ!私の周りSばっか!理不尽すぎる!

「うるせぇ、早くしろ。」

―――泣いていい?もう人の話すら気に留めてないよ、この人

けど、残念ながら惚れた弱味というべきかなんなのかあっさり従ってしまっていた。

「まだ?」

「まだに決まってんだろ、バカ」

「ひどっ!」

聞いただけなのにバカって言われたショックで眉間に皺が寄ってしまった。

―――それでも目を開けなかった私を誰か誉めてくれ!

そんなことを思っていたら閉じた瞼で暗い視界が陰った気がした。
何事だ!?と思って目を閉じたまま顔をふいと上げてみたら唇に表現しにくい柔らかなモノが重なった。

―――...........って!キスされてんじゃん!

気付いて顔が熱くなるのを感じた。
付き合って1ヶ月弱は経ったけどまだそんな雰囲気微塵も感じてなかったからこの状況をどうしたらいいのか解らずそのままじっとしていたら手になにかを握らされた。
そしてそれと同時に泉は離れていった。
しかも泉は顔背けてるからどうコメントしていいのか解らない。

―――誰か助けて!

心の中でそう叫びまくって強制的に手の中に置かれたモノに目を向けた。
手のひらに納まる小さな袋にぎゅっと胸を掴まれる感じがした。

―――これはプレゼント以外の何物でもないよね!?

速まる心臓を無理やり押さえ込んで泉の許可なく小さな袋のテープを剥ぐ。
中を開いたらキラキラの愛らしいブレスレットが入っていた。

「うわぁ!可愛いこれ!泉ありがと!」

嬉しくってたぶん今、しまりのない顔をしてるに違いない。
だってなんかこんな可愛いモノ貰えるなんて思ってなかったもん!

「おー....どういたしまして。
ほら帰んぞ。」

背を向けていた泉は入り口まで行って、そこで止まると私に振り返って手を差し出した。
ちょっとむすくれてるけど照れてるんだろう。

「うん♪帰ろ、泉!」



お星さ

大好きな貴方から貰ったから余計キラキラ





あとがき

誕生日おめっとーさん(*´∇`)
途中終わりが見えなくなってしまい誠に申し訳ないです。
しかも名前変換がないというね.....(相変わらずすんませんww)
あと似なかった....頑張って文月に似せようと思ったけど無理でした。
泉くんが送ったメールは自分で考えてちょ

2010/07/14/22:22


掲載するのが遅くなって申し訳ありません;
泉くんのぶっきらぼうな男前さに素晴らしくやられました!
なんだあれ可愛すぎる・・!
私は怜さまの書く文が大好きなのですっごく嬉しいです!!
怜さま本当にありがとうございました^^


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