「そういえば祐介って前は千鶴のこと“ちぃ”って呼んでたよね?」


「…そ、そうだっけ」


『本人がいる前でとぼけるんかい』


「でも今は普通に千鶴って呼んでるのは何で?」


『察してあげなよ駆、祐介は14歳だよ?思春期真っ盛りなんだから』


「いやそんな理由でもないんだけど」


『ふ…大丈夫、分かってるよ祐介。周りの男子とかにからかわれたくない恥じらいを持つお年頃だもんね』


「聞けって。全然分かってない。何で息子のエロ本見つけた時の母親みたいなんだよ」


『あ、それとも好きな子に誤解されてるとか?私が解いてきてあげるよ?』


「………」


「や、やだなぁ千鶴!それはないって!ね、祐介違うよねっ」


「…鈍感過ぎる千鶴がムカつく」


『はぁ?喧嘩なら買うぞコラ』


「あぁぁぁもう話が逸れてる!何であだ名から名前呼びになったの!?」


「…ちぃって小さい時に呼んでたんだ」


『私もその時は祐介のこと“ゆーたん”って呼んでたから』


「……………え?」


『だから“ゆーた』


「いい止めろやめてくれ言わなくていいから!」


『むがもごー!(手をどけろ喋れない!)』




「えー…つまり、祐介が千鶴を名前で呼ぶのは」


「…俺があだ名で呼ぶとコイツもあの恥ずかしいあだ名で呼び返すから」


『ぷはっ…だってさ、そう呼ぶと祐介赤くなるんだもん。珍しいから面白くて』


「ふぅん…」


『ちょ、いひゃいいひゃい!あにふんらー!』


「いや、そんなふざけたこと言うのはこの口かなー、と」


『あほゆーふへー!』


「何か言ったか、ちぃ?」




「あれ何これ疎外感…」



−−−−

名前変換にあだ名の項がある癖に全然ないのはこのせいです←

二人っきりの時に、ほんのたまにあだ名呼びになるかもしれません。

あだ名は自分だけの特権なのでちょっと自慢に思ってたりする佐伯くん。






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