第1話









正月の行事を終え、シリウス号にやってきた、アヤ。

途中、立ち寄ったキッチンで
船長は部屋にいると、ナギさんがそう、教えてくれた。


「ふふ…船長。…綺麗だよって言ってくれるかなァ〜〜」

思わず顔がニヤケてしまう。

美容院で結い上げた髪。

特別念入りに施した化粧。

とっておきは

去年の暮れに、あつらえたばかりの
真っ赤な晴れ着。

これも全部、船長に褒めて貰いたいからで……



コンコンッッッ

晴れ着の襟を指で直し、船長室をノックする。


「おー…誰だ?」

中から聞こえる船長の声。

「アヤです、」

名前を告げると、直ぐに『入れ』と返事がした。


「……船長?」

ドアを開け、そこから顔を覗かせる。
船長は揺り椅子を揺らし、本を読みながら、既に一杯、呑んでいる。


「船長。……明けましておめでとうございます……」

しとやかに入り、ドアを閉める。
振り返り、目が合った船長は、一瞬、目を見開いた。
本とグラスをテーブルに置く。

「おー…こりゃ、見違えたな、」

揺り椅子が止まり、ニヤりと笑う。

「似合いますか?」

熱い視線で見つめられ、おどけたようにクルっと回る。

「……きゃっ、」

刹那、立ち上がった船長に、腕を掴まれ、引っ張られた。
よろけて胸に倒れてた私を、船長は胸に抱き締める。
くるっと私を振り向かせると、背中から抱いて、椅子に座った。


「よく似合ってるぜ?アヤ」
「…!」

耳の後ろで囁かれ、カッと顔が熱くなる。

「……ほんと?」

振り向いた口を、ちゅ、と吸われた。
合わせた口から、日本酒の香りが、ふわりと香り。
挿し込まれた舌からは、アルコールの味。

首の後ろに腕を回し、夢中で舌を絡めるうち、お酒のせいでか。
頭の中が、ぼーっとしてくる。
キスの最中、襟元から、大きな右手が侵入してきた。

「・・・・や!」
「ん?…下着はつけてねえのか?」

掴んだ乳房を晴れ着の下で、やわやわと揉みしだく。

「ん……だってえっ、」

乳首を指で、きゅ、と摘まれ、思わず顔を仰け反らせた。
露になった首筋を、船長の舌が這い回る。

「ああ…せんちょ……だめっ」

こんな事をしてたら、折角の晴れ着が、崩れてしまう。
身を捩り、胸を揉む手を両手で掴む。
抗議をしようと振り向いた途端。目が合った。

「……っ!」

そこには、甘い視線で私を見つめる船長の顔。

この表情は知っている。
いつもエッチを誘う時の顔だ。


「せんちょう、や!」
「脱がされに来たんだろ?」
「・・・・は?」
「コイツを俺に…」

船長は掴んだ乳房を強く揉み上げ、熱い息を吹きかる。

「…ちが…っ…」
「違わねえだろっ」
「やっ、ほんとに…」

・・・・違うの!
否定したいのに耳を舐められ、うまく言葉が続かない。
ぎゅうっっと強く抱き込まれ、身動きすら、ままならない。

カラダを捩れば、顎を掴まれ、また深く、口づけられる。

「ん、ふ…」

舌を絡めるキスの最中。船長の手が、晴れ着の合わせ目を指で探る。
両手が襟を掴んだ瞬間。
ザァッッッと。腕まで一気に、引き下げられた。

「や…っ!」

丸出しになった背中に、船長が舌を這わせてくる。
軽く肩に噛みつかれ、ヒクっとした。
だけど、抵抗しようにも、二の腕で止まった着物のせいで、うまく腕が動かせない。

「やっ、やだ、だめええ!!」

ダメだよ、この格好…!
まるっきり好き放題にされてしまう・・・・!

ざわざわと全身が粟立てば

「なかなかいいな・・・これ」

胸をまさぐる船長は、反対の手で、晴れ着の裾を大きく広げた。











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