第6話







夕食の時刻。●●●と一緒に食事をしたいというリチャードに応え
王家専用のテーブルに、クルー達もつく事となった。


案内されたテーブルは、1度に30人ほどが一斉に食事ができるくらい
大きく、そして、長いテーブル。

正面に当主であるエドワードが座り。サイドの先頭から、リュウガ、ソウシ、シンと続く。

その向かいに、リチャード、●●●、ナギ、ハヤテ、トワと、座った。


それでもその後ろには、ずらりと空席が続いている。

大勢のメイドが食事の給仕をしていと。ふとリチャードがクスリと笑った。


「ねえ兄様っ!いつも2人で食べてるから、今日はとっても楽しいねっ!」

「えっ…?」


小さな声で呟く●●●は、笑うリチャードに目を遣る。


リチャードさん。いつも2人で食事をしてるの?

しかも、こんなに広いテーブルで?

何だか淋しい……


いつの間にか切ない眼差しで、隣のリチャードを見つめていた――





少しして給仕が終わると、見たことがない豪華な料理が所狭しと並んでいる。

それと同様。見たことがない形の、スプーンやフォーク、その他もろもろが、ずらりと前に並んでいた。

ハヤテが困ったように頭を掻いて、ナギの背後から●●●の腕をツンと突いた。


「?!」


ん?という顔を向けると、ハヤテが小声をかけてくる。


「なァ……どのフォークを使えばいいんだ?」
「へ?そんなこと私に聞かれても、わかんないよ…」
「僕、こんなに沢山のスプーンやフォーク。初めて見ました」
「おい、おまえら」


背中の後ろで、コソコソ話す3人に、ナギがムッと眉をひそめる。
エドワードがクスリと笑った。


「どうしたお前たち」
「へ?!あ……いや…」


作法が分からないとは、なんとなくこの場では言いづらい。
しゅんと3人が下を向くと、穏やかな声がかけられた。


「作法なら気にしなくていいんだぞ?食事は美味しく食べるのが1番だ」


エドワードが笑って告げると、3人は、ぱ、っと顔を上げ、手元のフォークを握った。


「いいんすか?」
「ああ、もちろんだ」
「……んじゃ、遠慮なく!」
「いただきまーーす☆」


ハヤテとトワが、さっそく料理を食べ始める。
それを機に、賑やかな食事が始まった。

エドワードもリチャードも、終始クルー達とたわいもない会話をしながら、楽しそうに食事をした。








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