危うい天使 | ナノ
第8話 






「いやあああッッ…!!」
「く、」
「…ッ船長ッッ痛いよッッ!!」
「なら、抵抗しろ、」

逃げる腰を両手で掴んで、リュウガが自身を捻じり込む。
花唇が裂けるその痛みに、腰が引けてカラダを捩る。
だけどリュウガは根元まで自身を挿入し、ゆっくり腰を動かし始めた。

「…ンンッッ…!いやああ……ッッ!」
「…さすがに…キツいな…いきなりは……」

まだ濡れてないソコ。彼も痛みを感じているのだろう。
打ちつけながらも顔を顰める。

●●●は涙を流して、拳で胸をバシバシ叩いた。

「…ンンッッ……いやあっ、やめて!痛いってばッッ!」
「なら、抵抗しろッッ!!もう入っちまったぞ、」
「く…そんなこと言われもッッ!あァ、…ッッ…それ以上、だめえええッ!!!」

叫んでも、膝を立ててシーツを蹴っても、リュウガは腰を動かし続ける。
それどころか激しく奥をつきあげられたら、抵抗する余裕なんてあるわけない。

なのに彼は足を持ち上げ、腰を浮かせた。


「ひいっ……やっ、それ、だめェェッッ!!!」

●●●の目がカッと見開き、背中に爪がくい込む。
それでもリュウガは、容赦なく腰を振り下ろした。

「……ンンッッッ!!!」

折り曲げられた体勢のまま、結合部が激しくぶつかる。
それでも少しづつだが、中が湿り気を帯びてきた。


「濡れてきたな?」
「……ンンッッ、…いた…いよ、」
「ああ、けどな●●●。…オンナっ、てのは痛ければ痛いほど、カラダを守ろうと濡れてくる、」
「………っ、」
「それは相手が誰であろうと。男をスムーズに受け入れるためにな……」
「くっ……だからなに?なんでこんな酷い事…するの?」

自分はただ少女達を…助けたかっただけなのに……
なんとか声を絞り出すと、ようやくリュウガは腰をとめ、濡れる頬に手を添えた。

「お前は人助けのためなら…たとえ相手が男だろうと、関係ねえと言う……」
「……ッッ、そうよ?それがなにッッ?困ってる人がそこにいたら当然でしょ?」
「ああだがな?俺は男で、こうしてお前を簡単ねじ伏せられる……」
「く………」
「そして女のお前は……俺には勝てねえ」
「……っ、」
「そんなお前が1人で男に向かっていきゃァ……いつかこれと同じ目に遭う……」

どんなにお前が足掻いたところで
男の力には勝てねえんだ…

わかるか?

「……っ、」

目を伏せる●●●脳裏に、昼間の男が頭をかすめた。

男にはどうしたって勝てない――

その通りだ

力も武術も持っていない自分は、少女を助けたようでいて
自分が身代わりになっただけ……

みんなが来てくれなかったら、こうして2人に無理やり――

ようやくここで、この乱暴なリュウガの意図を理解して、抵抗する手がシーツに落ちた。


「…分かればいい…」

リュウガの両手が、ふわりとカラダを抱きしめた。


「酷いことをされて、嫌いになったか?」

囁く声に、●●●は目を伏せ首を振る。

「ごめんなさい……私が浅はかだったから…みんなにも心配かけて…」

ソウシ先生が言いかけた言葉も、この事だったと思う。

しおらしい顔で謝る姿に、愛しさが増す。


「お前は悪いことをしたわけじゃない。…ただ。…次は必ず誰か呼べ、」

コクンと頷く唇に、少しカラダを浮かせて口付ける。
次第に深くなるキスに。

「い……っ、」

切れたところが、ピリリと痛んだ。
顔を逸らせば、手が顎を引き戻し、また深く塞がれる。

「…自業自得だ、」

意地悪な笑みでそう言われ、思わず目を横に逸らすと、リュウガが不意にカラダを起こした。


「さて……このままじゃあ俺のムスコは治まらねえからよ、」

まだ挿入されたままのリュウガ自身。

「このまま、ヤるぞ?」

ハッとした時には、右手がテーブルのナイフを掴み
履いたままのスカートを切り裂いた。

「…っ船長ッッ!!」
「やっぱ惚れた女と抱き合うなら、ハダカじゃねえとな?」

悪戯っ子のような笑みでもってシャツも脱がされ、リュウガも全てを脱ぎ捨てた。
互いの肌を密着させ、ゆっくり律動が再開される。

「…っ、」

感じる所を突かれながら、唇が首筋を降りていく。
左手が乳房を揉みしだき。反対の乳房を舌が舐り吸いあげる。

「……は…」
「……感じるか?」
「ん…、…すご、く…っ!」
「ああ、すげえ濡れてきた…」

さっきまでとはうって変わって、自然と下肢も潤ってくる。
滑りが増すソコに合わせて、腰の動きも早くなる。

「熱くなってきたぜ?」

リュウガは足をベットに下ろし、腰を両手で引き寄せた。
そのまま腰を振りたてる。

「あぁあんっ、せんちょう!!」

●●●は手で身体を支え、湧き上がる快感に打ち震える。
だけど、打つける腰が激しすぎて
身を起こして彼の首に縋りついた。

「はぁああん!」

リュウガの足に跨る格好で貫かれ、切れた口で、口付ける。

「つったく。わけのわかんねー男に触られやがって…」

口付けながら、下からガンガン突き上げられ
双方の口に、鉄の味が広がっていく。

「あっ…だって……っ、はぁ、…!」
「イきそうか?イっていいぜ?」

腰の動きが激しさを増して、●●●の声が切なくなった。
しがみつく手に力が籠もる。
そして。

「あ、もぅだめぇええ!」

ぶるりと身体が震えた瞬間。
声にならない声をあげ、●●●は絶頂を迎えた。
しかしリュウガは、そのまま腰を動かしつづける。

キスをしながら横に寝かせ、今度は正常位で腰を振る。
奥まで欲望が挿入されと、激しく腰を振りたてた。

「やああぁっん、!!」

手を伸ばして核も弄ると広げた足がガクガク震える。
壊れそうな快感に、シーツを蹴って、身を捩る。
足を掴まれ腰が浮いた。

「―― 強く突くぞ」

深く口付け、●●●の足を腰に巻いて、リュウガが上に覆い被さる。
激しく腰を振りたてれば
グチャグチャと粘液の擦れる音が、ひっきりなしに部屋に響く。

「あぁっあぁぁっ…、…もうっ…!」
「……っ、締まる…っ!」

突き込むピストンが激しさを増し、それが●●●の、限界だった。

「いあっ……ああ、いくっッッ!!!」
「ああ、俺もだッッ」

次の瞬間、頭の中が真っ白になり
リュウガも結合部を密着させ、最奥で熱を放った。



       ※





「なあ…」
「ん?」

気だるい疲れの中、腕の中に寄り添うコイツを、心から愛しいと思う。

そんなお前に俺は自由に生きる海賊として

まだまだ色んな世界を。

色んな景色を

見せてやりたいと思う。


海だって飽きるまで満喫させてやりてえ。

ワクワクするような冒険もまた、愉しいだろう…


「次の港は綺麗なとこだぞ?」
「…ホント?」
「ああ、」


しかし、そこには危険もつきものだ――

さて、この、……素直で真っ直ぐで、正義感の強い天使に
今日のお灸が、いつまで続くだろうな?


「今度一緒に買いモンでも行くか?」
「……いいの?」
「たまにはな?」

きっとコイツはまた、見境なく飛び出していくんだろうけど……


ああそうだな

せいぜい俺がこの危なっかしい天使から

目を離さないでおくとしよう。




抱きしめたカラダは、どこまでも柔らかく

ふわりと飛んでいかないよう

強く強く抱きしめた。






end



★★や

 
   






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