福寿草 | ナノ
第2話
ドンッドンッドンッ
「まだ終わんねーのか?」
ドンッドンッドンッ
「おい、SAKURA、聞いてんのか?!!」
呆れ顔のクルー達が船長室を仰ぎ見た。
今日は12月24日。
クリスマスイヴと言うやつで。
シリウス号は数日前から、とある港に停泊していた。
というのも、年に1度の今日。
世界中の海賊船の船長が一手に集まる、大きなパーティーがあるからで。
海賊王であるリュウガはこのパーティーの主賓として、この時期、この島に、招かれていた。
そして今年はリュウガのパートナーとして、初めてSAKURAも参加するのだが。
クリスマスと1年の締めくくりとして行われる、このパーティー
それはそれは豪華絢爛なパーティーらしく
ある意味SAKURAにはプレッシャーでもあった。
海賊王のパートナー
それはそれなりに、注目もされるだろうから。
――だからお化粧だって、特別念入りにしたいのに…
「おい、まだか?」
急かす声は30分も前から、続いているのだ。
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