鳴らない着信音の続き

ああ、どうしよう、
帰宅してから数十分。
俺は携帯の前に正座をして固まっていた。

今日の朝、名字とメールアドレスを交換した。
ずっと好きだったから嬉しかった。
嬉しかったけど、
「俺から送るなんてこと…っ、」
恥ずかしくて打つこともできないで居るなんて情けない。
部活をしている間にも内容は考えた。
王道に「登録頼むな」とか、「これから宜しく。」とか、
そういうのでいいって分かってる。
だけど、だけど。
…女々しい自分に嫌気が差した。

結局まだ打っていない。
帰宅してからもう2時間もたってしまった。
名字は帰宅部だから俺よりも早い、
きっと4時間はたっただろう。
そんなに待たせてるんだ、打たなくては。

どうしよう、どうしよう。
内容は打った、けど送信ボタンを押して良いのか悩む。
誤字脱字がないか3回は読み直したし。
「だけど長くないか、これ。」
名字に引かれないか、この文は。
少し削ろうと思っていたらもう深夜。
迷惑だろうとは思ったけど、送ろう。

…削りすぎたか?


台詞は準備しているのに指が動かない。


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