お兄ちゃんの声が、聞きたいよ。 結局あの後私は家に帰り、普通に過ごした。 今日は早いのね?ってお母さんに言われたけど、 笑顔でそうかな、って返した。 次の日、私はグラウンドに行かなかった。 ううん、行けなかった。 朝起きたらふらふらして、ただの廊下で転んでしまった。 お母さんが小さく「熱い…、」と呟いて、私のおでこに手を当てた。 冷たくて気持ちが良くって、うっすら目を閉じる。 「今日は一日休んでいた方が良さそうね、」 といってお母さんが私をベットに寝かせる。 水枕を置いてから、おかゆを作るって言って部屋を出た。 お兄ちゃん、風丸お兄ちゃんに、会いたいな。 そこで意識がぷつりと切れた。 誰かに手を握られたような感触があったのは、 気のせい? |