「日和っ！」 「風丸お兄ちゃんっ！？なんで…ここに、」 「…何かあったのか？」 「ねえ、風丸お兄ちゃん！なんでここにいるの！？」 「…何かあったのかって、聞いてるんだけど。」 「ふぇ、ごめんなさ…っ。」 「あ、いや、泣くなって。」 目の下の残ってる涙を拭ってやればまた新しい雫がこぼれる。 「風丸お兄ちゃんは、」 「うん？」 「日和のなのっ……！」 「………！」 「日和のなのにい、なんで、とるの…。」 「…日和、」 抱き寄せてやれば小さな身体は震えていて、とても切なくなった。 「そうだよな、俺はお前の。」 「お兄…ちゃん？」 「俺はさ、逃げてたんだよ。」 「逃げ？？」 いきなり話が飛んでわけがわからないのか疑問符を飛ばし続ける日和を構わず俺は続ける。 「言ったら、駄目なんじゃないかって。 俺のためにも、お前のためにも。 最初はさ、正直言って俺から見たらやっぱりまだまだ小さいし、 お前がいう「好き」なんてその程度の軽いものだと思って適当に受け流してた。 …でもさ、だんだん俺自身がその言葉を真に受けるようになって、 ………信じるようになって。 抑えられなくなってたんだ。 お前が可愛くて、愛おしくてしょうがなくなって、…さ。 最近本当にどうしようもないんだ。 練習中も、食事中も、馬鹿みたいにずっとお前のこと考えてる。」 「お兄ちゃ……？」 「好きだ、日和。俺、日和のことが、好きなんだ。」 |