大倶利伽羅と下ネタ | ナノ


下ネタ注意ですよ!

「大倶利伽羅って童貞?」
「死ぬか?」
「待って待って待って」

びっくりした。童貞か否かを聞いたら、まさかの命を終わらせようかと聞かれた。審神者びっくりだよ。
ちなみにここは執務室。早々に仕事に飽きて放棄した私は、近侍として後ろに控えてくれている大倶利伽羅にちょっかいかけることにしたのだ。大迷惑だとどこからか聞こえるって?私に聞こえなければ問題ない。

「でも実際の所どうなの?女性経験てあるの?ていうか刀って性欲あるの?」
「死ぬか?」
「待って待って待って」

危険だ、この刀危険だ。触れると切れるどころじゃない。殺されてしまう。命の危機を感じる。10代の鋭いナイフか。

「…何なんだいきなり」

ため息と共に吐き出された言葉は心底呆れが込められている。
そりゃそうだ。審神者からいきなり「童貞?」と聞かれたらびっくりする。私もする。でも聞く。

「いや、特に理由は無いんだけど。本当に何となく気になって」
「アンタ女だよな」
「生物的には女だね。イチモツついてないよ」
「やめろ」

照れてるのかな?と思って大倶利伽羅を見ると、とんでもなく冷たい視線でこちらを見ていた。
こりゃちげえ、照れる照れない以前の問題だ!この主頭大丈夫かなレベルの問題で心配されてる!

「大倶利伽羅君にセクハラしたくなるお年頃なんだよ許してくれ〜」
「どんな年頃だ」
「こんな年頃だよ」
「死んでくれ」

腰にへばりついてメソメソしていると、まるで地を這うようなため息が大倶利伽羅から溢れ出す。うんうん、まるでこの世の終わりとでもいうような表情だね。

「でもでも、実際の所どうよ。おっぱい好き?」
「好きだな」
「お、おう。即答か…わかるよ、私も好き」
「アンタ女だよな」
「この質問二回目だね?」

おっぱいに意外と大倶利伽羅が乗ってきたので、私はガンガン行こうぜに作戦を変更した。ちなみに変更前はガンガン行けたら行こうぜ、である。
ていうか大倶利伽羅って、ほんと表情変わんないな〜!こんな淡々とおっぱい好きっていう男子初めてだよ。これが普通なんだろうけど。いや普通とかよくわかんないや。盛った。

「ぶっちゃけ貧乳と巨乳どっち派?」
「どうでもいいな」
「う、うそつけ、そういう風に言う男ほど女の裸見てため息つくんだよ!」
「つかれたのか」
「処女だバカ!」
「そうか」
「なんでちょっとテンション上がってんの怖いわ!」

やっぱり神様って処女が好きなのかな?わかんないな。というか人間が神様の思考を考える事すら烏滸がましいよね。止めよ。違いますよ〜決して考えるのが面倒になったとかじゃないですよ〜。そこのお姉さん違いますからね、怪しい視線でこっち見ないでください。

「胸の大きさで女を好きになるわけじゃないだろう」
「え、いきなりかっこいい事言うな…仮にも伊達男か」
「だがアンタ小さいな」
「あれぇ〜〜〜?もしかして私今喧嘩売られた???買おうか?いいよ??言い値で買うよ??」
「玉4万」
「物吉くんまだ来てませんごめんね…!!!」

あれはな…1日のノルマがえぐいんだ…審神者心折れちゃう…なんだよ玉4万て…おかしいじゃん…。

「いや、でもやっぱり無いよりもある方がいいよね」
「おっぱいの話か。玉の話か」
「すごい!片方は全然下ネタじゃない筈なのに下ネタにしか聞こえない!おっぱいの話です!!」
「…まぁ、無いよりかはいいんじゃないか」
「だよね〜…」

はぁ、と重たいため息をつくと、大倶利伽羅が私の頭を優しく撫でてくれる。なんやかんやで私の近侍は優しい。

「そういえば大倶利伽羅の下の毛って何色?」
「死ぬか?」
「待って待って待って」

もうこれ3回目だよ!飽きたよ!流れるように言葉が出た…慣れってすごい…。

「だって髪先っちょだけ赤いじゃん?下もそうなのかなって」
「確かめるか」
「…………うん?誰が?私が?大倶利伽羅君のを?と、とんでもないこと言うね!!」
「散々もっと酷いこと言ってるだろう…」

急に恥ずかしくなってきて、ぱたぱたと顔を手で扇いだけれど、全く意味なんてなくて手首が疲れただけだった。
そんな私とは対照的に大倶利伽羅はしれっとしている。冗談がわかりにくいんだよ…とんでもなく涼しい顔だ。これが長生きしている刀の余裕か…。

「アンタの恥ずかしがる所がわからない」
「いや、なんていうのかな。私がセクハラする分にはいいんだけど逆に来られると照れちゃうっていうか」
「照れてるのか」
「なに?なんでまたちょっとテンション上がってんの?ほんと刀ってわかんない」

私には理解出来ない世界だ、と遠い目をすれば大倶利伽羅が背中をぽんぽんと叩いてくれる。癒し。でも原因はお前だ。いや、話を振った私か?どっちでもいいか。

「大倶利伽羅の腰布になりたい………」
「……来世に期待しとくんだな…」
「暖かい声援をありがとう。頑張るね…!!!」

大倶利伽羅の腰布になってひらひらできたらどれほど幸せだろうか。戦中だってなんだってひらひら。無駄にひらひらしております!すごいはためいております!!今日はサービスシーンが多いです!幸せか。

「でも私今人間だからな…」
「そうだな」
「和睦の道はないのでしょうか…」
「江雪に怒られるぞ」
「おっぱいのカップは何がいい?」
「C」
「まっすぐな目をしてやがる……」

くそ、Cないな私。揉めばいいのか?揉めばでかくなるのか?大きく見積もってもBだよ、それでも盛ってるよカスだよ。

「アンタは気にする必要ないだろう」
「えぇ…C欲しいよ」
「そのままで充分だ」
「それはあれなの?大倶利伽羅が単純に貧乳好きってことなの?」
「あるに越したことは無いが」
「ほんと喧嘩売ってるよな」

ちょっと期待したわバカ。自分で揉むしかないか…いやでも確かなんかホルモンがどうのこうのって話も聞いたことがなくも無い。ううん、胸って奥が深い。

「あるべきものが無いってのも、悲しいよね」
「哲学か」
「おっぱいの話だよごめんねおっぱいの話で哲学にまで持っていって」
「別に胸でアンタの価値が決まるわけじゃないだろう」
「でも大倶利伽羅的には?」
「………あった方がいい」

ほらねー!!!男なんておっぱいしか見てない変態ばっかだ…。

「いつか大倶利伽羅のも、短いそーろー野郎って言うからな」
「…へぇ?」
「アッうそうそ、流石に調子乗っためんごめんご」
「言っておくが、俺は光忠のよりもあるぞ」
「え……?う、嘘だ………」

半ば縋る気持ちで大倶利伽羅を見上げると、とんでもないドヤ顔(いや表情的には無表情なんだけど雰囲気が)でこちらを見ていた。それを見て、今の言葉が嘘ではないと悟る。

「確かめるか?」
「確かめません!せ、セクハラ反対だ!!」
「横文字は分からないな」
「ンアアアア待って待って!なんで押し倒してるのちょっと!」
「アンタの胸の大きさなんぞ、俺がこれからデカクしてやるから気にするな」

するりと太股をなぞられた瞬間に、カッと頭に血が上るのがわかって、私は大倶利伽羅の胸板を必死に押した。

「は、破廉恥!!スケベ!!エッチ!!」

だがどんなに胸板を押してもびくともしない。
気付くと大倶利伽羅が目の前まで迫ってきていて、私の頭は完全に使い物にならなくなった。体中が熱い、これは、もうダメだ。そんな私をわかってか、大倶利伽羅はふっと笑う。
あぁ、もう、なんでこうなったんだっけ。すごい、くらくらする。

「男は皆、こういうものだ。理解しろ」
「っ〜〜〜〜!ばか!!」

これからはセクハラのちょっかいを出すのは考えものだと、心の底から思った。
私の心臓が、持つ気がしない!!



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