大倶利伽羅君と下ねた2 | ナノ



「大倶利伽羅君のおっぱい揉みたい」
「光忠に言え」
「みっちゃんに!?ぱいおつ揉ませてへいへいへーい!!って!?頭おかしいんじゃんその人」
「アンタほどじゃないだろ」

ずずず、と茶を飲みながら籠の中の煎餅に手を伸ばす。晴れた日、縁側、隣には大倶利伽羅くん。うん、素晴らしいセクハラ日和。

「でも大倶利伽羅っていい褐色の色してるよね、触っていい?」
「だめだ」
「ワンタッチ500円」
「安い」
「そうだよね重要美術品だもんね、10000円でどう」
「安い」
「まじかよ」

10000円でも安いの?それ結構私にとっては大金なんだけど。おかしくない?いやおかしいの私か?安すぎるのかな、わからん。もうちょっとここら辺の感覚を研ぎ澄ませたい。

「でも大倶利伽羅の褐色ていいよね。かっこいいもん」
「どうした」
「えっ、褒めたら頭の心配をされるのってどうなの。辛い」

普段からセクハラ発言しかしてないからこうなるのかな。気をつけよう。なんて思ったところで明日には忘れて大倶利伽羅のぱいおつ揉みてぇ!とか言ってるんだろうから、我ながら私の頭は救いようがない。

「いやでもなぁ、確かに雄っぱい的に見たらみっちゃんのが立派だよねぇ。大倶利伽羅細いもんねぇ」
「死ぬか」
「死なないわ」

そうやってすぐ人を殺そうとする!
怒ってみたものの、相手はそれよりもみっちゃんに雄っぱいが負けた事が悔しいようで、じっと自分のを見ていた。おおう、何だかイケナイ道を開いてしまったのではないかと心配になる。

「見つめたって雄っぱいは大きくならないよ」
「アンタのもそうだからな」
「すっげぇ!とんでもないところから喧嘩売ってきやがった!」

斜め前からの一斉射撃だよびっくりだわ。審神者さすがにそんなん受け切れない。心に深い傷とダメージを負った。どうしてくれる。

「もうさ、いいよ別に。私におっぱいがあろうが無かろうがどっちでもいいじゃん。誰に見られる訳でも無いし必要あるわけでもないし」
「……本当にそう思っているのか」

「え」と声を上げる。こちらを見つめてくるのは金の双眸。いつもはそんなまじまじと見つめてきたりしないじゃないのに。何だそれ、何だよこれ。私に何を求めてるんだ。

「…実際、アンタの胸は小さい」
「エッ傷を負った心に更に追い打ちをかける!?」
「だが」

もにゅ、と私の胸が揺れる。なんでかって?相手の掌が当たることによって。目を瞬かせて体の動きと脳の理解が止まる。え、こいつ何やってんの?胸揉んでない?揉んでるよね、確実に揉んでるよね、え、何で?

「なんで!?」
「静かにしろ」
「理不尽すぎない!?勝手に揉むな!」

もにゅもにゅ、と相手の抵抗は止まらない。うおぉ、めっちゃ揉まれてる。やばい、めっちゃ揉まれてる。

「せ、セクハラで訴えてもいい?」
「揉むほどの価値もなかったな」
「訴えてもいい!?!?ねぇ!!」

大倶利伽羅は手を離すと、にぎにぎとその感触を確かめるように掌を閉じたり開いたりして、やがて大きくため息をついた。

「……」
「ねぇその残念なものを見る目やめてくれない…!?」
「残念だ」
「直接言っても意味無いからね!?わかってる!?」
「生憎俺は刀でね。心の機微には疎い」
「嘘つけやおいこらこっち向け」

死んで欲しいぃ!軽く言って水の張ってないプールに飛び込んで欲しい!!ネタが古すぎて通じない!!

「あーあ、まぁいいや…なんか怒るのも疲れた…オヤツでも食べてこよ」
「ずんだ」
「取ってこないからね言っとくけど」
「おい」

立ち上がりかけた腰を止めて振り返る。こっちに来いと視線で訴えてくる相手に、最初はじとっと見つめていたが勝てるわけがないと諦めて近付いた。

「なーに、まだなに、」

か。そう言いかけた口に、何かが触れる。頭の後に回された大きな手のひらと、近づいた顔。だけど、触れたそれが何かを理解するよりも先に、顔が離される。

「胸は、また大きくしてやる」

耳元で囁かれたその言葉に、耳から首まで真っ赤にしたのは、言うまでもない。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -