アダルトな大人


 【会話文】クリスマス戦争

翔太「もうすぐクリスマスだけどもちろん予定無いよね?せっかくだし久しぶりにどっか遊びに行こうよ、遊園地とか」
笹山「イブ、俺んちで鍋パーティーするんですけど原田さんもどうですか?もし良ければ、と思ったんですけど忙しいようでしたら無理にとは言いませんので」
四川「お前、どうせ一人で寂しークリスマス過ごすんだろ?可哀想なお前のために一日だけ俺が付き合ってやるよ。泣いて喜びやがれ」
時川「クリスマス付き合ってよ。近所のビデオ屋がカップル割やってるらしいし映画見よ。……え?男同士ダメなの?……まぁ、どっちでもいいけど」
紀平「かなたーん、ねえねえイブの日暇?なんか予定狂っちゃってさぁ、暇になっちゃったからどっか飲みに行かない?面白い店見つけたんだよねぇ。大丈夫大丈夫、今度はちゃんとしたところだから。なんと、イブは女子●生の公開切開ショーやってるんだって!あ、嘘嘘、そういうネタだからそんな怖い顔しないでよ、本当に普通のSMクラブだから。……え?SMクラブって普通じゃないの?」
店長「原田、24日は空けておけよ。なぜだと?そんな無粋なことを聞くもんじゃないぞ。俺には俺なりの計画があるんだからな、お前はただ従えばいいんだ。わかったな?」



原田「ってことで、まあ、そういうことです」
紀平「まあ、大体は事情わかったんだけどさぁ、なんかこう腑に落ちないよね」
店長「それはこっちのセリフだ。大体、全員考えてることが同じってどうなんだ!わかり易すぎるんだよ!」
笹山「店長、それ壮大なブーメランですよ」
四川「大体、なんだよ鍋パーティーって。大勢呼ぶフリして油断させて最初から原田一人狙ってんだろうが、このぶりっ子!」
笹山「自分が独り占め出来なかったからって俺に当たるのやめてくんない?!」
翔太「それに、紀平さん。カナちゃんに悪影響受けるような真似すんのやめていただけませんかね」
紀平「えー?社会勉強だって、ねえかなたん?」
原田(俺に振らないでほしい)
時川「原田さん、これ。約束の」
原田「あ、ありがと。…じゃあ、これ」
店長「おい、おいおい!なにをこっそりと抜け駆けをしている!」
時川「抜け駆けっていうか、プレゼント交換する約束してたから」
翔太「はあ?なにそれ?僕だってカナちゃんとプレゼント交換しようと用意してきたんだけど!」
原田「え?そうなのか?…俺、なんも用意してねえけど」
翔太「これだからカナちゃんは!」
笹山「あのー…交換じゃないですけど、一応これ、俺も原田さんにプレゼント用意してきたんですが」
四川「はあ?ちゃっかりだな、マジお前!」
時川「四川、これなに」
四川「うわっ!おいこら勝手に見んじゃねえよ、ばか!」
紀平「あーらら、結局皆プレゼント用意して来たんだ」
店長「こうなったらあれだな、公平に全員のプレゼント交換すればいいんではないか?」
時川「よくねえよ。原田さんのは俺のだって」
店長「司がキレた!紀平、司がキレた!助けろ!」
紀平「え、やだ」
原田「ん、まぁ……俺は、別にいいけど」
翔太「せっかくカナちゃんのために用意したプレゼントが他のやつの手に渡るのは気に入らないけど、このままカナちゃんのプレゼントがダイレクトに司君に渡るのはもっとムカつくしねぇ。いいよ、僕も賛成だ」
四川「そーだな。そこの童貞野郎ばかりプレゼント貰うのは面白くねえ」
笹山「素直になればいいのに…」
四川「だからうるせぇんだよてめえぶりっ子!ロン毛!」
時川「…」
原田「ごめんな、司」
時川「いいよ、原田さんがいいなら」
店長「ってことで公平にプレゼント交換を行うぞ!狡をしたやつは公開処刑!あとから文句、交換、強奪はなしだからな!男なら正々堂々だ!では、理解したやつだけプレゼントをここに出せ!」
翔太「なんか店長さんが活き活きしてきた」
紀平「イベント超好きだからねー鬱陶しいねー」
店長「そこ!私語を慎め!それかせめてお茶目と言え!」


***


原田「プレゼント、出したのはいいんだけど…」
笹山「クリスマスイブに部屋に平均180越の男複数集まって音楽に合わせてプレゼント交換する図ってどうなんですかね」
四川「言葉にすんな。もっと悲しくなる」
店長「はいストーーーップ!!!」
翔太「うわテンションうざ」
店長「中谷、貴様司会と幹事はテンションうざいくらいではないと務まらないと知らないのか?俺がうざいのではない!わざとうざくしているのだ!」
紀平「ってことらしいから取り敢えず順番にプレゼント空けて見ようか……って言ったらやりにくいだろうし、俺から行くよ」
原田(これって全部俺のために用意してくれたんだよな…ちょっとドキドキする) 
紀平「……ん?」
原田「そ、それは……!」
店長「で、でたぁ!!クリスマスの定番、ミニスカサンタクロース(紳士Mサイズ)!!」
紀平「え、なにこれ、俺着ればいいの?この場で着ちゃう?」
四川「うわああ!やめてください!まじ勘弁してください!見たくねえ!」
笹山「良かったねぇ、阿奈。大好きなミニスカサンタ見れて」
四川「うるせー!うるせー!」
店長「はは、四川貴様が選んだのか。相変わらず俗物的なものが好きなのだな!いい趣味だ!」
四川「うるせえええ!」
笹山「はは、残念だったね。…じゃ、次は俺行きますね」
翔太「あ」
笹山「……」
店長「どうした、そんな微妙な顔をして。……って、うわぁ!誰のプレゼントか一発でわかったぞ!」
翔太「僕特製僕ポスター(大、小)、僕フィギュア、僕抱き枕、僕抱きカバー、僕オリジナルソング、僕添い寝CD、僕Tシャツ。全部カナちゃんのために作ったのに……そっか、笹山くんか……大切にしてね……」
笹山「ど……努力します……」
四川(あの笹山が動揺している)
原田「つーかそんなもの俺にプレゼントするつもりだったのかよ!」
翔太「そんなものってなんだよ!これと対になるカナちゃんグッズも自作したけどすごい寝付き良くなったからカナちゃんにもプレゼントしようと思ったのに!」
笹山「え、原田さんグッズの方と交換してください」
翔太「あれは僕のだからダメ」
笹山「く…っ」
原田(もうやだこいつ)


翔太「あーあ、なんだろう、このガッカリ感」
笹山「中谷さんが言いますか」
四川「……」
店長「はっはっはっ!!!沈むな沈むな!まだクリスマスは終わっていないぞ!ほら、紀平のミニスカサンタを見て元気を出せ!」
紀平「シセンクンゲンキダシテー」
四川「ひいいい!!」
原田「うおばぁあ!!」
司「二次被害が」

店長「では、気を取り直して次行くぞ!」
翔太「えーっと、じゃあ僕行こうかな……あ、でもなんか嫌なフラグが建ってるような……」
店長「なに?中谷行くのか?よし、行け!なんなら開けてやろう!」
翔太「いいです、いいですから。……っと、あ、やっぱり見たくない」
店長「小さいやつだな。どれどれ……って、うわあおめでとう」

翔太「引きながら言うことですか」
紀平「なになにーどうしたのって、ああ、なんだ中谷君が当たったんだ」
原田「く、首輪……!」
紀平「高かったんだよー名前入り、ほら、かなたんって」
翔太「というか紀平さん、カナちゃんにこれをプレゼントしてどうするつもりだったんですか。ああ、僕が受け取ってよかった。安心してねカナちゃん、これは責任取って僕が大切に使ってあげるから!カナちゃんに!」
紀平「流石、君のそういう融通が利くところすごくいいと思うよ。写真よろしくね」
翔太「紀平さんこそいい趣味してますね。きっとこの高級感溢れる革はカナちゃんの肌によく映えますよ。今度送りますよ」
原田「いつの間にかに協定が…!!」
笹山「原田さん危ないので半径5メートル以内に入っちゃダメですよ」
原田「…うん」

四川「っあー、もういいや。なんかろくなもんなさそうだし俺いくわ」
店長「おお、ようやくいったなミニスカサンタ」
四川「その呼び方やめろ!!……ん、おお」
原田「あ」
司「……」
四川「これって……」
司「軟膏。原田さんケツ痛いって言ってたから」
原田「司……」
翔太「え、これはまずカナちゃんのケツの痛みについて言及すべきなの。ねえ」
四川「……まあ、せっかく貰ったんだし使ってやらねえこともねえよ」
原田「なに、お前もケツ痛いのかよ」
四川「ちげーよ!お前に使うって意味だよバーカ!」
司「痔にもいいらしい」
四川「別に俺痔でもねえからな?なにつまんなさそうな顔してんでよてめぇら」

店長「そろそろ残ってきたな!このまま突っ走るか!はい、じゃあ司!」
司「俺すか。店長行ったらいいじゃないですか」
店長「残り物には福があるというだろう!ほら!さっさとする!」
司「……まあ、別にいいですけど」
原田(あ、あれは…)
司「……」
笹山「へえ、革手袋ですか」
原田「だってほら、司って手冷たいし…寒そうだったから」
翔太「ねえなんでカナちゃんそいつの手の冷たさ知ってんのねえまさか手を繋いだわけじゃないよねにぎにぎしたわけじゃないよね、ねえ」
司「ありがとう。……大切にする」
店長「fuck!」
紀平「まあまあ店長落ち着いて、ほら、残り物には福があるというって言うじゃないですか」
店長「ん?そうだな、俺のプレゼントが原田の手に渡るということもあるわけだからな。…どれ、ここは俺から行こう!と思ったけど見覚えのある包装からしてこれ嫌な予感!」
笹山「まあまあ、包装がダブってただけかもしれませんし。ほら、開けてみたらどうですか」
店長「そうだな、笹山の言う通りただ被って……ってうわああ!やっぱり俺が用意したやつじゃないか!!」
紀平「(爆笑)」
四川「店長良かったじゃん、とっておきのプレゼントが当たって(笑)」
店長「笑うな貴様らああ!!!」
司「因みに店長はなにを……指輪?」
紀平「いや、この大きさはあれだね。コックリング」
店長「くそ…なにが悲しくて自分の持続力を鍛えなければならないのだ…というかサイズがあわん…」
原田(セクハラまがいのものプレゼントされかけた上に俺が貶されてるだと…?!)
翔太「ねえなんでカナちゃんこの人カナちゃんのサイズ知ってるのねえなんでカナちゃんお願いだからこっち向いてよねえ」
笹山「では、もうバレちゃってますが原田さん、開封をお願いします」
原田「ん、ああ……うおお!」
司「まあ、笹山と言えばこれだよな」
紀平「流石透、チョコレートケーキとか分かってるじゃん。パンチラしてやろうか」
笹山「い…いりません」
店長「ほお、これはまた随分と大きいな。原田には多いんじゃないのか?」
笹山「どうせ、皆で食べることになるだろうと思って作ったので多めになってます。…ああ、そろそろ鍋の用意もしましょうか。皆さん、年甲斐もなくはしゃいだせいで腹が空いてきた頃でしょう」
店長「おい、歳のことについてはタブーだぞ!…まあいい、さっさと腹ごしらえをするか。コックリングの有効活用法についてはそれからだ!」
四川「つーか、まだそれ言ってたのかよ。ま、衰えてきた年寄りには丁度いいんじゃねえの?」
店長「誰が年寄りだ!まだピッチピチの三十路手前だ!」
紀平「ねえ、ケーキ分けていい?ケーキ。ねえ、ケーキ」
笹山「わかりました、わかりましたから落ち着いてください。すみません、時川さん。手伝ってもらってよろしいでしょうか」
司「……ん」
原田「その手袋今つけんのかよ。気が速すぎるだろ」
司「じゃあ、あとでつける」
紀平「ケーキケーキケーキケーキケーキケーキケーキケーキケーキケーキ」
店長「大体何かことあるごとに年齢を口に出すのは貴様の悪い癖だ!自分がぎりぎり十代だからといってこの」
翔太「ねえカナちゃん、僕の手も冷たいよ。ねえカナちゃんねえってば暖めてよ僕の手も。ねえ。カナちゃん。なんで司君ばっかり見てるの?ねえ、僕も手袋ほしいな。なんならカナちゃんのお手手でぎゅってしてくれるだけでもいいからさ、ねえカナちゃん」
笹山「皆さん、ケーキ渡りましたか?一応蝋燭もあるんですが刺す方はご自由に」
紀平「蝋燭って食えんの?」
店長「紀平お前しっかりしろ!くそっ、糖分に脳味噌やられたか…っ!いや元からか」
四川「食う時くらい静かにしろっての、ったく……っぶぐっ!」
笹山「うわ、ビックリした。どうしたの」
四川「笹山、お前、これ、何いれた……?」
笹山「え、なにって、ウイスキーをちょっと……って、あ」
翔太「ウイスキー?!」
店長「ん?なんだ、どうした中谷…」
翔太「カナちゃんカナちゃん、ケーキ食べちゃダメだよ!」
原田「は?なんでだよ。……ふつーにうめえし、いいじゃん」
翔太「かっ、カナちゃん……?あれ?普通?」
原田「でも、どうしてもって言うなら…代わりにお前が俺の腹をいっぱいにしてくれるんだよな、翔太」
翔太「仰せのままに」
笹山「弱っ」


メリークリスマス!

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