人類サンプルと虐殺学園


 15※

「っま、や、それ、擦り、つけないで……っ」

「そいないけずなこと言わんといてぇな」


「もっとボクとも仲良くしましょ」そう言うなり、能代は俺の項に舌を這わせる。
逃げたいのに、触れられる度に頭の中掻き回されるみたいに思考が途切れる。
項から耳の裏までねっとりと舐められれば、感じたこのことのないような感覚が背筋に走った。
それがなんだか気持ち悪くて、逃れようと身じろぎするが、びくともしない。


「ん、ぅ、や……降ろし……」


腰を浮かせようものならすぐに抱き寄せられ、能代の膝の上へと寄せられる。離れるどころかより一層強く抱き竦められ、チャイナ越し、お尻の谷間を確認するように腰を動かし始める背後の男にぎょっとする。


「っ、ちょ、ぁ、待っ、のし、ろ……さん……っ!」

「あかんあかん、そない動いたら……うっかり中に入ってまう、大人しくしときや」


そんなの無理に決まってる。
そう思うのに、スリットから入ってくる手にぎょっとする。下を脱がされそうになり、慌てて能代の手を離そうとするが、当たり前のようにキスをされると力が入らない。
というかドサクサに紛れて本当この人は……!


「今度キミを捕まえるときは手足も繋がんとあきまへんな」

「っ、ひ……っ」

「はぁ……やわこいわぁ。細すぎひんか心配しとったけど、やっぱ烏の兄やん受け入れたんなら問題あらへんな」


もみもみもみと無遠慮に鷲掴みされた挙げ句揉み扱かれる。屈辱である。泣きたいし、黒羽とのことをバレてるというのも嫌だったのに、否定の言葉が出てこない。
何を言っても余計墓穴掘りそうで怖かったのと、あと、この状況のせいもあるだろう。
下だけ脱がされ下半身丸出しという滑稽な格好の中、能代は必死でケツを庇おうとする俺の手を避けるのだ。


「の、しろさん、も、やめて……」

「曜クン、あきまへんわ。……ここでは、嫌よ嫌よも好きの内なんやから」


無茶苦茶な!
弱肉強食という言葉が過る。
弱者は食われるしかないのか歯痒くて、どうにかして逃げれないかと辺りを見渡そうとするが。


「――っ、ぅ、ひ」


細く長い指に、大きく肛門を広げられる。ぎょっとして、振り返ろうとするが、それよりも先に躊躇なくねじ込まれる指に堪らず背筋が伸びた。


「っ、ゃ、待って、何……っ!」

「おお、曜クンのナカは綺麗な桜色やありまへんの。新鮮で健康的な証拠や、結構結構」

「っ、見、るなぁ……っ!」

「何てこと言いはるんや。見るよ、ボクのもんやもん」


瞬間、腰を掴まれる。へ、と振り返ったとき、狐男が人のケツに顔を寄せるのが見え青褪めた次の瞬間、ぬるりとした濡れた舌に思いっきりケツを舐められ、声にならない、悲鳴が漏れた。


「待っ、ぁ、うそ、汚っ、だめ……能代さ……っ」


指で中を広げられ、体の中の色までじろじろ見られて、おまけに舐められる。
なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ。全身の毛穴が開き、ぶわりと汗が吹き出した。恥ずかしいなんてものではない、それ以上に躊躇なく奥へと入り込んでくる舌に内壁を隈なく舐め回され、脳味噌が茹で上がりそうだった。


「っ、ぁ……う、そ……うそ……ッ」


聞きたくもない音が腹の中で響く。
お尻の下にあるこの固い感触が能代の顔だと思っただけで怖くて下を見れなかった。いち早く能代から逃げたいのに、腰をがっつり掴まれた挙げ句長くざらついた舌で中を擦られるだけで下腹部から力が抜けてしまうのだ。


「っ、はぁ……曜クンの肉、最ッ高やわ……ボクの舌離さんようきゅって締め付けてんの、可愛すぎひん?」


頼むからもう何も言わないでくれ。こんな状況でそんなところを褒められたって惨めさが勝るだけだ。
泣きたい気持ちとは裏腹に煮え滾るように熱を帯び出す己の体がただ憎くて仕方なかった。

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