その日、志摩とは校門が閉まるギリギリの時間まで外で休日を楽しんだ。
楽しみにしていた映画も面白かったし、志摩のことがもっと知れたし俺にとって充実した一日となったのは確かで。


「じゃあ、今日はお疲れ様。……楽しかったよ、夢に出てきちゃいそうなくらい」

「うん、俺も」

「ならよかった」


学生寮三階、エレベーター前。
私服姿の生徒たちが行き交うその中で、俺たちは目を合わせて笑い合う。


「明日はいつも通り授業だからね、あんまり夜ふかししないようにね」

「わかってるよ。……本当、心配性なんだね」

「こんなに俺を心配させる齋藤も凄いよ」

「褒めてないよね、それ」


そう笑えば、釣られたように志摩も破顔した。

名残惜しかったが、明日もある。
今日は遊び過ぎてお互いに疲れてるし、そのまま俺達はその場で解散した。

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