翌日、早い時間帯で目を覚ます。
二度寝しようと思ったが、中途半端な時間なだけにもし本当に寝過ごしてしまったら志摩にどんな小言を聞かされるかわからない。
結局、早めに支度を済ませた俺は、時間を潰すために早朝の寮内を歩き回って時間を潰すことにした。


早い時間帯からエレベーターは機能しているようだ。
一階まで降りた俺は、いつもとは違って閑散としたそこをぶらぶらと歩き回る。

それにしても、不思議だ。
毎朝起きることが億劫だったというのに、たった一つの約束だけでこんなにも気持ちよく積極的に起きることができるなんて。
我ながら単純だと思うが、そんな自分は嫌いではなかった。


「……」


やっぱり、映画が終わったあとは適当に街を歩くのだろうか。
越してきたばかりなので、映画館の場所などは全て志摩に案内してもらう予定だが、あまり頼りっぱなしというのも申し訳が立たない。
ガイドブックか何かに、この辺で遊べそうなところとか載ってないだろうか。
そう思い立った俺は、早速本屋へと向かうことにした。

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