射精した後も何度も何度も突っ込まれ、あまり旺盛ではない体力はあっという間に消耗する。
気だるさのあまりにぐったりする俺の腰を掴み、そのまま根本まで入れられる度にいつの間にかに勃起した自分の性器が腹部に当たってなんかもう恥ずかしさでいっぱいになったけど睡眠時含め長時間繰り返される性行為に体力の限界に達した俺は抵抗する気力すら残されていない。


「っ、ぁ、は……ッかいちょぉ……っ」


行為中出た汗や涙やらで体内の水分がなくなったようだ。
酷く喉が渇く。
唸るような声は掠れ、気付いたら無意識に俺はここにいない人間に助けを求めていた。
瞬間、腰を掴んでいた栫井の手に力がこもり皮膚に指がのめり込む。


「痛いって、痛いよ……ッ助けて、かいちょ……っ、は、ぁ」


腰を掴んでいた手が離れたと思えば、伸びてきた栫井の手に思いっきり首を絞められる。
喉仏を手のひら全体で潰すように器官を押し潰され、あまりの息苦しさに慌てて栫井の腕を掴んだ。


「特技も取り柄もないマグロは黙って締め付けろよ、潰すぞ」


どこを。
ぐぐっと指先に力がこもり、全身の筋肉が緊張した。
栫井の目が据わっている。
冗談をいうようなやつじゃないとわかっているだけに、至近距離で囁かれ背筋がうすら寒くなった。
頭に血がのぼり、呼吸が浅くなる。
ただでさえ残り体力が少ないというのに、軽い酸欠に陥る脳味噌は徐々に朦朧としはじめた。
本能的な危険を察知した俺は足をばたつかせ、慌てて栫井の胸を叩く。
しかし、ビクともいない。
全身に力がこもり、首を絞められた状態で奥を突かれれば他の生き物のように下半身が小さな痙攣を起こす。


「は……っぁ、ぐ……ぅあ……っ」


頭がぼんやりとして、全身の神経が下腹部へと集中する。
怖い。
怖い。怖い。
相手が少しでも指先に力を入れたら自分の心臓が機能停止し兼ねないというその状況に生きた心地がしなかった。

しかし、それも束の間。
酸欠のお陰で恐怖心すら徐々に薄れ、なにされても冷静だった思考回路が乱れ始める。


「っ、は、ぁ……やだ、……ッかいちょ……かいちょぉ……かいちょ、んんっ」


なにがなんだかわからなくなって痛みと息苦しさと気持ちよさに目尻からボロボロと涙が溢れる。
判断力が衰えた思考の中、そう藁にすがるような気持ちでその固有名詞を口にしたとき、舌打ちをした栫井に唇を塞がれた。


「んっ、んん……ッ」


だらしなく開いた唇を塞ぐように重ねられ、そのまま深く貪られる。
ただでさえ飛びそうなのに、舌を吸われて咥内を掻き回されるだけでぞくぞくと脳髄に痺れたような甘い刺激が走った。
激しいキスと下半身の挿入にどこが左右上下なのかわからなくなって、全身がふわふわとした不思議な感覚に陥る。
やばい、まじでやばい。
なにがやばいのかよくわからないが、取り敢えずやばい。
徐々に力が増す指先にふわふわとしたそれは息苦しさとなって襲い掛かってきて、だらしなく開いた唇から涎が溢れる。
それを音を立て啜られ、相手がなにを飲んだのかすら判断つかなくなって、取り敢えず下半身が疼いて爪先がピンとなってピストン運動を繰り返される度に腰が勝手に動いて締め付けて栫井のが硬くなって、二度目の射精をされたとき、真っ白になった俺の意識はそのままどっかに飛んでいった。

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