緑高緑について陽泉が本気で考えてみた
「いやーないっしょ、ないない。」
「うーん…」
少し空を見つめたあと、紫原がゆっくり首を左右に振った。その隣で氷室が頬杖つきながら悩ましい声を漏らす。
場所は陽泉バスケ部、部室内。
中央に机を用意し、椅子を並べ、前方のホワイトボードに書かれた議題に皆頭を悩ませていた。
進行役の福井がビシッとそのホワイトボードに書かれた文字を指差して「ないない」と首を振った紫原に根拠を言ってみろ、と口を開く。
本日の陽泉の議題内容。
【秀徳の1年コンビは緑高か、高緑か!!】
「え〜根拠っていうか、ミドチンがあんあん言うとかきもいし。」
「てめそれだけの理由で緑高に一票かよ。」
「まだカチューシャ君があんあん言ってるほうが〜…想像できる?かな〜?」
「…敦、とりあえずあんあんから離れようか。」
氷室が苦笑しながらそう言うと、福井は「じゃあ次、氷室。」と進めた。
いろいろなシチュエーションや彼等の性格を考慮して導き出した答えは…と(馬鹿な)議題に対しても真面目に悩んでいた氷室がその場でスッと静かに立ち上がる。
福井の目を真剣に捉えて、言った。
「俺も緑高に一票ですね。」
「…その根拠は?」
「体格差もありますが…緑間くんがカチューシャく、」
「いやだから高尾な。」
「…えー…、緑間くんが高尾くんに組み敷かれて喘いでいる姿を想像するのはその逆よりはるかに困難だからです。」
「言葉違うだけで敦の言ったんと一緒じゃねーか!」
「ある意味オレよかなんかエロいんだけどー。」
福井と紫原に同時にツッコミを入れられて、不本意な結果に氷室はすごすごと座り直した。
それを冷ややかな目で見ていた劉がピンッと何か思いだしたような顔になった。
「でも緑間っていわゆるツンデレアルよな?ツンデレは受け率高いて中国では聞いてるアルが。」
「いやおい中国すげーな!」
しらっと答えた劉に福井の猛スピードツッコミが炸裂。
その後、とりあえずここまでの意見を纏めると…、と福井が黒ペンでボードに書き込みを加える。
アツシ、氷室→緑高
りゅう→高緑?
「福井…劉って漢字書けないアルか?」
「は?書けねーんじゃなくて書かねーだけだよ画数面倒臭ぇから!」
「福ちんいまの嘘っぽいし」
「アツシ黙れ、まいう棒のかわりに監督の竹刀ブチこむぞ。」
「……福井先輩…卑猥ですよ。」
「おい何想像してんだ、おめーが卑猥だ氷室。」
この時陽泉主将の岡村は、進行役は福井でよかった、福井が適任じゃ、と真剣に思ったとか思わなかったとか。
結局その後もまともな答えは出ず、2対1のまま陽泉メンバーの中では「緑高」で落ち着いたのだった。
〜END〜
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わたしが緑高緑について答えを見つけられなかったので陽泉メンバーに考えてもらった結果、やっぱよく分からんという話でした(・∀・)
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