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ミシミシと壁が軋む音がするのは気のせいでしょうか。
気のせいと思いたい。
降旗くん大丈夫でしょうか…紫原くんに隠れて何も見えません!!





「…、……っ(ひぃいっ…声、声出ないっ…!!)」
「……"好き"。」
「…、(えっ…?)」
「"…大好き。ずっと、一生、アンタの事…離してやれないから。"」
「………、(え、これ、紫原の声…?)」






あ、ようやく紫原くんが降旗くんから離れました。
あれ……降旗くん??

どうなっているのでしょうか、膝から崩れ落ちてます…。
しかも顔が真っ赤なんですが…。




「光樹!」
「あ、あか、赤司…」
「大丈夫か?敦の無駄に大きい体格のせいで何も見えなかったが……何かされたのか?」
「…、…だ…大丈夫…っ…」
「…。(…いや…そんな赤い顔して…光樹が大丈夫でも僕が大丈夫じゃないんだが!!)」





あ、赤司くんの顔がだいぶ強張ってますね。
そりゃ…自分の恋人が顔面真っ赤にして膝崩されてたら心配……というか、ね。

今更ですが王様の命令が「"耳元で"愛を囁く」だから…僕らの距離からは聞こえなかったという…まさかの結果です。

僕らより近くで見ていた氷室さんは…あ、降旗くん同様に顔面真っ赤ですね…。





「…あ、…アツシ。」
「……ちゃんと聞こえた?」
「………、…ああ。」
「ならいいけど。」




ふん、と言い放ってまたもやテーブルに盛られたお菓子に手を伸ばす紫原くんを氷室さんが視線で追う。
嬉しいのか恥ずかしいのか、なんとも複雑そうな表情で口元を覆いながら。
そしてその氷室さんの背中にこれまた複雑そうな視線を送るのは火神くん。





「紫原の野郎…タツヤに何言ったんだ…?」
「正確には9番(降旗くん)に、ですが。」
「…つーか…なんだかんだいっても…タツヤの方こそ紫原に本気だよなぁ…。」
「……なに悲しそうな顔してるんですか。」
「し、してねーよ!」
「…まぁいいですけど。」




だって今回ばかりは…何といいますか、火神くんより悲しそうな顔している人が…ほら、あそこにね。いますからね。




「…敦、光樹に何を言ったんだい?」
「え?何って…王様の命令どーりのことだけど?」
「だからそれを詳しく…!」
「……。(赤ちんて…フリハタ絡むとまじウザいな〜…)」










「降旗〜!大丈夫だったか?」
「…た、高尾。う、うん…なんか…びっくりしたけど…」
「すっげー壁ドンだったもんなぁ〜!」
「…。(それも勿論だけど…あの紫原が…あんな優しい声…、……氷室さんのこと…すごい想ってるの、すっごい…伝わって……)」
「うわ!降旗どったの!!湯気出てっ…、ちょっ、テッちゃーーん!!!!」






その後数分間、正常な状態に戻るまで降旗くんの回復を待つことになった僕達。

とりあえず無事に一回目の王様ゲーム企画をクリアしたものの、それぞれの心に似たような感情が芽生えたのはもはや言うまでもなかった。





『絶対、自分には当たりませんように』





………本当に、
言うまでもありませんよね。










〜END〜




*********




記念すべき第一回目の王様ゲームは………、…はい、やはり恐ろしい結果になりました…(・∀・)

王様の命令も、メンバーもすべて厳選にクジ的なもので選ばせてもらいました(*^o^*)

その結果これです!
とくに赤司様、恨むなら秋紅さまを恨んでくださいね(笑)という結果になりました…

秋紅さま、すてきな(えっ)命令ありがとうございました!

第2回目は…好評だったら…します…。
もし不評だったら……今回限りで終了しますのでご安心下さいませ…。

でもでも、笑って許して下さる方ばかりだと信じたいっ…!!!



※2014/3/8〜3/23までの拍手内容でした。






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