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「……なぁ黒子…紫原がローリング壁ドンした場合、壁が壊れるってことはねぇよな…?」
「火神くん、それシャレになりませんし、降旗くんが更に怯えますからやめて下さい。」
「す、すまねぇ…」




同じ誠凛バスケ部として、なにより友達として、降旗くんを心配する火神くんと僕。
そして僕らの隣に、氷室さん。



「……アツシ…大丈夫かな。」
「は?!!タツヤ、紫原の心配かよ?!」
「…いや…ローリング壁ドンはともかくその後が…"甘い言葉"なんて囁けるのかな…って。」
「?氷室さんは囁かれてないんですか?」




しれっと問えば、数秒沈黙した後に氷室さんの頬がわずかに赤くなった。
どうやら囁かれてないわけではナイみたいですね。
視線でそう伝えてみると氷室さんは少し困ったような顔をして、



「…甘い…とは違うかな。………まぁ…言われて嬉しいってことには変わりはないんだけど…ね…」



そんな氷室さんをものすごく複雑そうな顔して見ないで下さい、火神くん。
いい加減ブラコン卒業してくれませんかね…。


あっ、そうこうしてる間に降旗くんが壁前にスタンバイ完了していました。めちゃくちゃ震えていますが…はたから見ると…なんだかカツアゲでもされてるかのようです…。




「あのさー…そんなビクビクしないでくれる?オレだってやりたくてやるんじゃねーんだし。」
「わ、わ、分かってるけど…、(怖いんだよ〜っ…208cm!!!)」
「……どーでもいいけどジッとしててよね。変に動くと捻り…じゃない、叩き潰しちゃうかもだから。」
「………!!!!!」




ひぃっ!!!というように顔を強張らせた降旗くん。
気持ち分かります。よく分かりますよ。
紫原くんももう少し優しく出来ないものですかね…、そんな大きい手の平を目の前に突き付けられて「叩き潰しちゃうかも」って。
降旗くんじゃなくても怯みますよ。




「紫原っち…氷室さん以外には基本冷たいっス…」
「…代わってやりてぇ。」
「?!?!先輩何言ってんスか!!!」
「だって降旗、かわいそーー」
「ローリング壁ドンならオレがいつでもするっスよ?!?!」
「……黄瀬、てめぇは俺にローリング顔面ドンされてぇのか?」
「……えっ…」





遠慮なくしちゃって下さい笠松さん。


全く、相変わらずなのは紫原くんも黄瀬くんも同じですよ…。
………ああ…貴方も…ですか、赤司くん…。





「敦。」
「…赤ちん。なに?なんでマジ顔なわけ?」
「………僕が代わろーーー、真太郎?!何をする、離せ!」
「…観念するのだよ…赤司。」
「そうそう!早く終わらせちゃおうぜ。降旗のためにもさぁ。」




はい、赤司くん大人しく撤収して下さい。
王様(秋紅さん)の命令は絶対なんですから、いくら皇帝でも我が儘はダメですよ。
緑間くんと高尾くん、空気読んで下さってありがとうございます。





「あ、アツシ。」
「…も〜……今度は室ちん?何なのみんな…めんどいなぁ…」
「…降旗くんに…その、愛を囁くって…大丈夫なのか?」
「…アンタはどこを心配してんの。」




紫原くんも思わず呆れ顔です。
さっきから氷室さん一人だけが心配ポイントズレてますからね。




「だってお前…愛を囁くなんて、苦手だろ?」
「…はぁ〜〜…」
「アツシ?なんで盛大な溜め息なんだ?!」
「……いつも囁いてるつもりなんだけどねー。(伝わってねーのかな…)」
「え?」
「…別に。まぁ大丈夫だからさ、その辺で見ててよ。」




はい、シッシッ、と氷室さんをあしらう紫原くん。
なんだか激しく肩を落としていますが…どうかしたんでしょうか。

ええ、でもまぁ、いよいよローリング壁ドンの準備が出来たみた……





ドーーーーンッッ!!!!!





……い…ですよ…って…

………
……わぁ、凄い音…。







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