その占いしんじますか?
「高尾、今日は一日俺と手を繋いでもらうのだよ。」
なんて、
朝一からこのオレが思わず絶句しちゃうようなコトをド真面目な顔して言ってのけるのよ。オレらのエース様は。
てゆーか、…は?
どゆこと?
オレは大袈裟に首を捻って190cm越えの真ちゃんを見上げる。
だってそーじゃん?
教室のドア開けた瞬間に緑間真太郎っていう人間ヌリカベがオレの視界を塞いだかと思えば冒頭の台詞だもんよ。
「今回はな〜んでしょ?」
「…高尾、今日の占いはそれは恐ろしかったのだよ…」
「はいっ!??」
だから何を深刻な顔で言っちゃってんのかね、真ちゃんは。
眼鏡をテーピングだらけの指でクイッと押し上げて、青い顔されても高尾ちゃん爆笑寸前なんですけど。
「今日の蟹座は蠍座の人間と手を繋ぐことで命の危機が回避されるのだよ!」
「っ、…く、…ぶふっ…」
「高尾?」
「…っ、いや、何でもナイですっ…」
やべ、腹痛いっ!
ちょっと誰か褒めて!
本来爆笑したいところを真ちゃんの真剣さを考慮してググッと堪えた高尾ちゃんを誰か本気で褒めてっ!!
「…っすーはー…(※深呼吸)…真ちゃん、それおは朝??」
「そうなのだよ。俺の命がお前にかかっているのは理解できたか?」
「(ぶはっ…できるワケねーじゃん!!!)…うん、できたできた!」
「なら繋ぐのだよ。」
そう言って真ちゃんが徐に手を差し出してくる。
マジか。
マジなのか。
いくら普段からオレが真ちゃん真ちゃん言ってふざけてスキンシップしまくってるとはいえ…教室で手ぇ繋ぐのはどうなのよ。
チラ、と真ちゃんを見上げる。
「早くするのだよ!お前は俺に何かあってもいいと言うのか?」
「………。」
だめだ。
真ちゃんほんと、おは朝厨だわ。
まー…相棒さまがそこまで必死に懇願するのなら仕方ないよな。
繋いでやろうじゃん。
どーせクラスのみんなも「またバスケ部変なことしてる〜!」って思うくらいデショ!
「ったく、ほいよ!」
ある程度の覚悟をきめて(女子はキャーキャー、男子は爆笑…いや、失笑だろうな〜)、真ちゃんの手に自分のを重ねてギュッと握りしめる。
握った瞬間、わずかに真ちゃんの指がぴくっと動いた。
え?なに?って思ったら。
なんと真ちゃん、顔が赤い。
「し、真ちゃん???」
「…………予想以上に……恥ずかしいのだよ。」
「ちょっ、それ真ちゃんが言っちゃう?!!」
「いやだが…俺はお前が好きなのだから…こうなるのも仕方ないのだよ……」
「っ!!」
ちょっ、なんなの、
ほんとなんなの、
だれか助けて!
いきなりデレるときの真ちゃんの攻撃力はハンパない。
オレのHPは残り3くらい。
瀕死の状態なんだけど…!!
どこまでオレの気持ちを鷲掴みにしたら気が済むんだろう、このエース様は…
「高尾?どうかしたのか?たか…」
「緑間真太郎サンのスケコマシ〜!ちょ〜と今こっち見ないでくれます〜?!!」
「…は?何を言っているのだよ?」
見んなっつってんのに覗き込もうとしてきた真ちゃんから、逃げるようにして反らしたオレの顔は、真ちゃんの比じゃないくらいに赤くなっていたと思う。
それはそれは、真っ赤だったと思う。
(だってめっちゃ顔熱いんだもんよ)
そして、
オレは思うのだった。
(初っ端からこんな調子で)オレのか弱いか弱い心臓は今日一日無事にもってくれるのだろうか、と。
〜END〜
(ぎゃはははっ!何それお前ら!仲良すぎっ気持ちワリー!)
(…宮地先輩、お言葉ですがこうすることで俺の命は救われ、)
(ぎゃーーーはっはっはっ!!!ば、馬鹿がいるっ…!!)
(みゃーじさん、真ちゃんの話聞いたげてー(笑))
※ハイスペック高尾、放課後にはもう慣れていた。
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チャリア組大好きです、たまらんです。
宮地さんもたまらんです。
WC3位おめでとう!
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