妄想シリーズ:第１７０Ｑその後
「………、なにその顔…」
試合後姿が見えなくなったことは、まぁ室ちんにもいろいろあるからなーって思って追いかけたりしなかった。
(…オレも一人になりたかったし。)
だけど、戻ってきたらその顔ってなに。
どういうこと。
どういうことなの。
「室ちん、それどうしたの。」
「…あー…はは…ちょっとな。」
「血でてる。」
「瞼切れたかな…まぁ舐めときゃ治るから。」
いや、そーじゃなくて。
そーいうの聞きたいんじゃなくて。
っていうか何で笑ってんの。
何で笑えんの。
「？アツシ？」
「………誰にやられたの。」
「誰って…。あ、大丈夫だぞ！俺は手出してなーー、」
「室ちん、誰にやられたのって聞いてんの。」
「あ、アツシ？？」
誰。
誰にやられたの。
誰が室ちん殴ったの。
誰が殴っていいっつった？
誰がこの人傷付けていいっつった？
「…！？アツシ？！！ちょっ、どこ行くんだ？！！！」
「…探す。どーせまだ近くにいるんでしょ。」
「ちょっ、えっ、えっ？！！！」
「見つけてぶっ殺す。」
「……はっ？！！！！！」
むかつく。
……ってレベルじゃねーし。
見つけて殴り返すだけじゃ足りない。
捻り潰すだけじゃ足りない。
そんなんじゃ全然足りない。
…………ぶっ殺す。
「ちょっ、アツシ！！こら、Ｓｔｏｐ！Ｓｔｏｐ！！」
「離して室ちん。オレいまけっこー本気でむかついてるから。」
「だから、何でお前がむかつくんだ！こら、止まれって！」
「何でって……」
そんなの、決まってんじゃん。
言わなきゃ分かんないとか何それ、室ちん阿呆なの？
…え？
まじで分かってないって顔してるし。うそだー…
（あ、なんか力抜けた…。）
「…あー………、もういいや。」
「そ、そっか？じゃ、戻ろう、な？！」
「うん。」
「あーびっくりした…。アツシのむかつくスイッチが分からないよもう…。」
「……。」
はー…
溜め息吐きたいのはコッチなんだけど。
天然なの、それ？
室ちんのばかたれー。
「…ねー、ほんとに痛くないのソレ？」
「ああ。全然。それよりアツシ、」
「んー？」
「もう涙は引いたのかい？」
「………泣いてねーし。」
もうほんとこのヒトは。
隣でクスクス笑う室ちんを睨み下ろすと、赤く腫れた痛々しい顔してるくせに、なぜか本当に楽しそうに笑っていたから、オレはまた脱力してしまった。
〜END〜
＊＊＊＊＊＊＊
灰崎くん命拾い。
うん、絶対紫原くんの方が強いでしょう！
崎ちんは青峰にボコられたくらいですから（笑）
…っていう一連の妄想(・∀・)
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