質問してみた。





@劉さんに質問してみた。



「ん?ワタシにとって福井とはどんな存在か、アルか?」
「はい。」



キョトンとした顔を浮かべた劉だが、数秒考えたのちピッタリの言葉を思い出したのか、ぽんっと手の平を叩いて笑顔に変わった。
そうしてこう言うのだった。


「あれアル、福井にとっての”カレーには福神漬け”アルな。」


ふふふん、と得意気な表情の劉に対して黒子は思いきり首を傾ける。全く意味が分かりません、というかのように。
そんな黒子に劉は続けた。



「福井にとって福神漬けは”無くてはならないもの”と同時に、これからもカレーには福神漬けひとすじ!!、らしいアルよ。」
「……はぁ。」
「ちなみに”ひとすじ”は、これからもずっと変わらずに大切なものであり続ける、って意味アル。これ、日本来たとき福井に習ったアル。」



つまりは、自分にとって福井健介という存在は、無くてはならないものである、と同時に、これから先も変わることなく大切な存在であるーーーということらしい。
恥ずかしいくらいにノロけたことを言われているのだが、例に出されたのが福神漬けだった為に少し肩を落としたくなる黒子であった。







A氷室さんに質問してみた。


「え?オレにとってアツシはどんな存在か、だって?」


どうしたんだい突然、と爽やかな笑顔で質問返ししてくる氷室に「いいから早く答えてください。」と言えるのがさすがの黒子テツヤである。
氷室は ふむ、と顎に指を添えて少し俯いたのちに静かにこう言った。



「……神様、かな。」
「はい?」


黒子は思った。
この人大丈夫だろうか、と。
以前から変わっているとは思っていたが、まさかの答えだ。
あの紫原を、神様と言ってしまうなんて。



「氷室さん、それは…あの…」
「アツシはね、神様なんだよ。俺を打ちのめすのも、舞い上がらせるのもアツシだから。」
「…それは、バスケのことですか?」
「まぁね。黒子くんにとってタイガが”光”であるようにね。」
「バスケだけではありませんよ、僕にとって火神くんが光というのは。」



黒子が真っ直ぐ見つめてそう言い返すと、氷室はプッと小さく吹き出した。クスクスと楽しそうに笑いながら、


「タイガは幸せモノだね、すごく愛されてるんだから。」
「…はぁ。…あの、紫原くんは”幸せもの”ではないんですか?」
「ふふっ、さぁ、どうだろうね。」



自分に与えられなかった才能を持ち、バスケに最適な体躯を持ち、それなのにバスケを愛してはいない紫原。
そんな彼を、誰よりもバスケを愛しているのであろう目の前のこの男はどう思っているのか。
彼を神様、と例えた本当の意味は何なのだろう、

そう考える黒子に、ああそうだ、と付け加えるように氷室は言った。



「今度アツシと東京に行くんだ。その時タイガも一緒にさ、バスケしない?」
「はい、いいですけど…。」
「絶対に負けないよ。」



アツシといっしょなら俺は負けないから、と笑うその表情はとても綺麗で、その声はとても力強いものだった。
心配御無用でしたね、と心の中で苦笑する黒子であった。



******



そしてーーー



「アツシが神様とかないアル。」
「恋人を漬物に例える劉に言われたくないな。」
「氷室の宗教みてーな答えよりマシアル。」
「宗教?!アツシは神様みたいに凄いヤツだって意味だろ!劉こそカレー屋でも始めて福井さんにカレー振舞ってろよ!」
「誰がカレーの話なんかしたアルか!!このヤンヤン(※病んでるヤンキーの略)氷室!!!」
「なんだと!!!」



このあとむちゃくちゃケンカした劉と氷室であった。
止めに入った紫原がそのくだらないケンカ内容に溜め息を吐きたくなったのは言うまでもない。


〜END〜



*******


くだらん内容ですみません。










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