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「声かけなくて良かったのか、アツシ?」



室ちんの問いにオレは「うーん」と首を軽く振って答えた。
赤司くんに用があったんだろう?と更に問いかけてくる室ちん。

……まぁね、用があるから探してたのは確かだけどさ。
あんな赤ちん見ちゃったらね〜…
(邪魔しちゃ悪いっつーか、邪魔しちゃオレが何らかの制裁食らうっつーか?)




「デレデレしちゃって…赤ちんもフツーに人間っぽいとこあんじゃん。」
「えっ?」
「……別に〜」




それに用っつっても今回のこと聞きたかっただけだし。
何企んでんのか、って。

万が一、ほんとに万が一、室ちんを巻き込むようなことがあったら嫌だなーって思ってたから、ちゃんと聞いとかなきゃって思ってたけど。

さっきので何となく分かっちゃったからもういーや。



「アツシ?」
「え?」
「……もしかして、赤司くんを降旗くんに取られて寂しいのか??」
「…………。」




何を馬鹿なことを真顔かつ心配そうに言っちゃってくれてんの…室ちんてば…。
呆れて声も出ねーんだけど、オレ。

つーかそもそも室ちんはオレと赤ちんをどんな関係だと認識してんの??



「…室ちんさ、」
「?」
「いっぺん聞いてみたかったんだけど…オレと赤ちんのことどーゆーふうに見てんの?」
「え、…どうって……だから、赤司くんはアツシにとって………mother的な??」




mother。
マザー。
母親。
つまり、おかーさん。

予想もしてなかった有り得ねー返答にオレは多分、5秒は固まったと思う。
あと、訳のわからない鳥肌までプツプツと立ってしまったんだけどどーしてくれんのコレ。




「まぁだからさ、motherが自分のfriendに取られて寂しい気持ちは分かるよ?だけどね、アツシ!そこは応援してあげるのが真の仲間っていうか……」
「……ちょっと黙って、室ちん。」


本気で睨み降ろすと室ちんはようやくピタリと口を噤んでくれた。
怒ったのか?とビクつきながら聞いてきた室ちんに、オレは滅多に出さないボリュームで反撃していた。



「怒ってねーし!!!室ちんが馬鹿なことばっか言うから呆れてんだし!!!!!」
「わっ?!(アツシのくせにBig voice!!)」
「気持ちワリーこと言わないでくれる?!!!あとオレ誠凛の補欠とフレンドじゃねーから!!!!」
「……Oh、sorry…」

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