LWデートで肝試しするんだよ(赤降)




※みんなでわちゃわちゃにUPした『肝試しするんだよ!』の1年後設定。

※赤司&降旗…共に高校2年生。ちゃんと付き合ってます、多分。

※葉山&宮地と4人で遊園地に来ました。Wデートというやつです。


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羨ましい、と思った。
何が羨ましいのかというと、数日前に電話で交わした敦との会話…その内容が、だ。

敦の話では先日陽泉高校で部活の一環として肝試しを行ったらしい。
(確か去年もこの季節にそういう事を行ったと聞いていたが。)

真夏の夜、極限の恐怖の中、ペアを組んで行ったその肝試しで………思う存分イチャイチャしたというのだ。




『ほんと室ちん超可愛いことしてくれちゃってさー』
「…へぇ……」
『去年は拒まれちゃったんだけどねー、なんか今年はめっちゃ積極的でさー、マジで可愛いかったんだよー。』
「…ふぅん。」
『ねー赤ちんも肝試しデートみたいなのしてみたら?定番だけどオススメだよー?』
「……考えておく。」





という訳で僕は考えた。
そして考えた結果、辿り着いた答えは。










〜拍手小説:Wデートで肝試しするんだよ(赤降)〜















「…あ、赤司…」
「どうした光樹?」
「いや、あのさ、葉山さんたち…放っておいていいのかな?」
「ふふ、問題ないよ。」



そう、何も問題ない。
なぜならWデートといっても小太郎はその恋人である宮地清志と二人きりになりたいと頻りに僕に懇願していたから。

そして僕としても外野がいるよりは光樹と二人きりの方がいい。

故に、さっきから絶叫マシーン中心に遊んでいる小太郎と(連れ回されている)宮地清志とは別行動をとっても…それは何の問題でもない。



「……でさ…赤司…ほんとにコレ入るの…?」
「勿論。何?怖い?」
「…オレお化け屋敷…苦手なんだよな…」



不安気な顔が可愛い。
明らかに入りたくない、という顔をしている。
だがこの東日本最恐と名高いお化け屋敷こそが、僕の目的。
なので今回ばかりは光樹が如何に拒絶しようとも、一緒にチャレンジしてもらうしかない。
「やっぱり止めようよ…」
「大丈夫。僕がいる。」
「…っ、でも、……オレほんと…みっともないと…思うよ?」
「どんな光樹も可愛いよ。」
「…っ、…、(真顔でそうゆうこと言うなよ〜っ…)」



何故か顔を赤くして俯いてしまう光樹。肩がぷるぷると震えている。

…?
そんなに苦手なのだろうか…。

今まではこんな子供だましのアトラクション(※お化け屋敷)にこの僕が自ら足を運んでやるなんてことは有り得ないと思っていた。

数メートル先で化け物に扮した一般人が待機し、通行人に合わせて奇妙なタイミングで突如飛び出し、意味不明な奇声をあげ、驚かしにかかる…………それのどこが怖いのか。
僕には分からない。

だいたい気配を隠しきれていない時点でナメてるのかと問いたい。
出てくるタイミングもワンパターンで…簡単に予測できるし。
あれで驚く人間の方もどうかしている。

つまりお化け屋敷とは…テーマパークにおける最も低レベルな、涼太の脳みそ程に最低なアトラクションだと僕は考える。
(※全て赤司の個人的見解です)


そんな場所にこの僕が足を踏み入れてやるんだ。
敦の言う事を信じていない訳ではないが…それなりに良い事が起こらなければこのテーマパークごと閉鎖させてやる。




「…じゃあ入ろうか、光樹?」
「あっ、赤司…!」
「うん?」
「あ、あのさ、手…繋いでてもいい…?」
「…え?」
「ご、ごめんっ、でもオレほんとに怖くて…」
「……別に…構わないが。」
「あ、ありがと、」





……前言撤回しよう。

お化け屋敷は、最高だ。







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