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「HAPPY BIRTHDAY!!アツシ!!!」




…………いや…うん。
やっぱりデスか…。

クリスマスもお正月もこんな感じだったよね…。
デジャヴュとかもうそーゆーレベルじゃねーから。

毎度毎度なんでいっつもちょっとフライング気味で攻めてくんのかな…。
(まだHAPPY BIRTHDAYじゃねーし。)

まったく…特攻隊長かなんかなの?アンタは。




「室ちん。」
「HAPPY BIRTHDAY、アツシ!」
「……アンタさ、見つかったらヤバいってマジ理解してんの?オレこれ言うの3回目だけど。」
「No Problem、そんなヘマはしないよ。」
「……入って。」



ニコリと微笑む綺麗な顔に溜め息吐きたくなるのも毎度のこと。
だけど、室ちんの手にした紙袋からは甘い匂いがしていて、オレの誕生日を祝うために来てくれたんだって思うとやっぱりちょっと嬉しくもなってしまう。

部屋に入ってとりあえず座ると、さっそく室ちんはその紙袋をオレに差し出してきた。




「甘い匂いー。ケーキ?開けていい?」
「さすがアツシ、目敏いな。でもコレはケーキじゃなくて……」




言いながらゴソゴソと紙袋から出されたのは、なんとビッグサイズのタッパーに入れられた大量の生クリームと、それとは別に苺やら桃やらのカットフルーツが入ったやや小ぶりのタッパー。

そして、オレの目の前には…なぜかTシャツを脱いで上半身を晒し出しちゃった室ちん…。




「……えーと…室ちん?」
「お、男に二言はないから、だから……その、アツシ、」
「……。(まさか…)」
「お誕生日おめでとう…、ど、どうぞ、召し上がれ…?で…いいのか…??」



恥ずかしそうに、しかも戸惑いながら徐に己の手でダイナミックに生クリームを掬い上げた室ちんは、胸やお腹にベトッとそれを塗り付けて、オレを見つめながらそんな爆弾発言をかました。

あの時の『嫌な予感』はやはり見事に的中していた。

だけどオレは変態じゃない。
あの時の言葉にも嘘はない。

もしマジでそんなのが実行されたら多分引くって思ってたし、実際さっきまでは本気で呆れてたんだけど………

だけど…
目の前で、真っ赤な顔してそんなことをしでかしてしまった室ちんに……引くどころか。

………
…ちんこ元気になっちゃった。

オレも所詮、この人が絡むと相当どーしよーもない人間なのだと思い知らされてしまって、
(…ちょっと悔しくなった。)





















「っ…ふ、…アツシ…」
「…なーに?」
「く、くすぐったい、そこ…」
「んー?」



よく聞こえないフリをして用意してくれた生クリームとフルーツで室ちんを飾りつけていく。

どこまでが許容範囲なのか。
とりあえず上半身まではOKみたいだけど、しっかり穿いたままのズボンは脱がしてもいいのだろうか。

脱がして、ちんこに生クリームたっぷり塗り付けて、ソフトクリーム食べるみたいにしてもいいの?
……とんだ変態プレイだけど、室ちん相手だと何でもやってみたくなるもんだね。
自分でもビックリだわー。



「ねー室ちん、服ぜんぶ脱がせていーい?」
「ぜ、全部、か…?!!」
「うん。生クリームまだいっぱい残ってるしさー」
「…分かった。…誕生日だし、アツシの好きにしていいよ…」



多分いろいろ葛藤したんだと思うけど、結局は『オレの誕生日』っていう理由だけで許してくれるんだから、ほんと可愛い。
まぁじゃあお言葉に甘えて好きにしちゃおっかな〜、って内心で笑いを堪えつつ、室ちんのズボンを下着ごと一気にずらしてポイッと床に投げ捨てた。

さすがに恥ずかしいのかモゾモゾと足を動かす室ちんをよそに、オレは残りの生クリームを1番やらしい部分にボトボトと乗せることに没頭。
まだ勃起してない室ちんのソコはあっという間に白いホイップに隠れてしまった。

あとは全身にバランスよくフルーツを撒いて―――…

はい、人間ケーキならぬ『室ちんケーキ』の完成。




「……わー…、エロいし美味しそーかも。食べていーい?」
「…出来れば早く終わらせてほしい……。」
「顔隠さないでよ〜」
「うるさい…、恥ずかしさで死ねるレベルだぞ…コレ…」



両腕で顔を隠しながら、その隙間からこれでもかというほど睨まれる。

だけどめちゃくちゃ顔赤くて、ちょっと気まずいような困ったような表情されたらオレの股間がさらに元気になっちゃうだけなんだけど。
(…分かってんのかなぁ??)

いざとなった時に拒絶されたら困るから、だから、あらかじめ聞いておくことにした。
結局オレも室ちんには酷いことしたくないっていうか、……優しくしたいっていうか。

そういう、ガラにもないことを思ってしまうくらいに……このヒトのことが好きなんだよね、って。
胸のクリーム舐め取りながら漠然と思っちゃった。




「…ねー室ちん。」
「ぁ…っ、な、なんだ…?」
「これ、このままエッチしていいんだよね?ここまでして挿入ナシとかオレ我慢できねーよ?」
「ん…、ぁ、っ…、だから、言っただろ……」
「え?」
「アツシの…好きにしていいって……」
「……、……。」




やば。
今ので完全に勃ったんだけど。
可愛い顔して可愛いことを可愛い声でツルッと言うの、マジで質悪ぃ。
どんだけ心臓にダメージ喰らうと思ってんの。
室ちんは絶対分かってない。




「……アツシ…?」
「な、なに?」
「??顔…赤くないか?」
「……誰のせーだと思ってんの。」
「???」
「…室ちん、ちゅーしていい?」
「?どうぞ?」




なんで今更そんなこと聞くんだ?、っていうようなキョトンとした顔にオレの心臓はまた、ぎゅわってなった。

オレを当たり前のように受け止めてくれる、それが、そのことが、オレをどんなに嬉しくさせるか

オレが…
どんなに幸せになるか

全くもって分かっていないこのヒトが、すごく愛おしい




「…ん…ン、……、…ふふっ、」
「…何がおかしいの。」
「何か今、アツシが生まれてきてくれて良かったなって…思っちゃったから…」
「……なにそれ。」
「あ――、日付、変わったな、アツシ。」
「…あ〜、そだね。」




ふいに逸れた室ちんの視線を追ってベッド横の置き時計を見ると、時刻は深夜0時10分になっていた。
正真正銘、10月9日だ。

またゆっくり視線を室ちんへと戻すと、今度は日本語で「お誕生日おめでとう」って言われた。



「…ありがと。…つーか、いただきまーす。」




そしてオレは美味しくて綺麗なケーキに舌を伸ばした。

クリームもフルーツも全て平らげてからは、おかわりと称して今度は、室ちん自身を文字通り、余すところなく。

…美味しく頂いたのであった。




〜END〜




**********


つまりは目茶苦茶セックスした、ということだよ紫氷だいすき紫氷っ!
(ヤってる描写ないから鍵つけなかったけど…大丈夫だよね…)


紫原くんHAPPY BIRTHDAY!!
紫氷永遠にだいすきです!


言うてる間に氷室さんも誕生日だけどね…(・∀・)


2014/10/9
キサラギハルカ




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