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キスは何度もした。
デートの帰り道、人気がない場所や別れ際。
先輩の部屋やオレの部屋でイイカンジになったとき。
軽いキスから、ちょっとエッチな気分になっちゃう深いヤツまで。

でも、こんな風に、息する暇もないくらい夢中になってキスをするのは初めてだ。




「ん、ふ、ンっ…ん、」
「…。(可愛いなぁ先輩…)」
「ん、ぁ、黄…、んんっ…」




始めは触れ合う程度のバードキスを繰り返した。
それだけで先輩は耳まで赤くなってしまって、可愛いなぁって思いながら今度は小さく震える唇の隙間に舌を入れてみた。
途端にびくりと肩を震わせた先輩。

ちょっと抵抗されるかな、と思ってたオレは先輩の男らしさを甘くみていたのかもしれない。
一度覚悟を決めた先輩の男らしさは、ハンパじゃなかったのだ。
いつもなら絶対有り得ないのに、なのに今日は、恥ずかしそうに自分から唇を薄く開いてオレの舌を受け入れたのだから。

正直びっくりしたけど、でも、嬉しいのと愛おしいのと…そして何より煽りに煽られたオレが先輩とのキスに夢中になるのにそう時間はかからなかった。



「……ん…っ、んン…」
「…。(熱…)」



歯列をなぞったあと更に奥へ。
先輩の舌を捕えたあとは、ぴちゃぴちゃとワザと音を立てるようにオレのと絡めて。
たまに頬っぺたの内側を擽るように舌でツツ、と舐め上げると先輩の口から悩まし気な声が漏れた。

熱い吐息と一緒に漏れるその声は本当に可愛くて、そんな先輩をもう少しだけ堪能させてもらいたいと思ったオレはその後暫くそんなキスを繰り返した。
その間先輩は苦しそうな、でも超エロい表情でそれに耐え続けてくれたんだけど。



「…ん、…は、…先輩可愛い。」
「はぁ…っ…はぁ、…ぁ…き、せ…?」
「先輩?」




あれっ…
どうしよう、やりすぎたかな。
…先輩、めっちゃトロトロに蕩けた顔してる。
(ちょっ…その顔ヤバいって!!)

まるでイったあとのような顔。
ぶわっと身体中の血液が沸騰する。

優しくしたいって、痛くさせたくないって思ってんのに。
理性が消えそうになる。
今すぐぐちゃぐちゃにしたくなる。


でもキスだけでこんなに感じてくれたのは素直に嬉しいって思う。
分かる。
先輩、もう勃ってる。
だってちょっと固くなったの、当たってんだもん。
(…ほんと無意識にエロい身体なんスから…。)

じゃあ…まぁとりあえず、そのエッチな身体を隠してる邪魔なこのスウェット、そろそろ脱がせてもいいっスかね?

いいともー!と自分で自分に応えながら、力の抜けきった先輩から勢いよくそれを剥ぎ取ってやった。

上だけじゃなくて、
どさくさに紛れに下も、ね。





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