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とりあえず3番の劉さん、生クリームのスタンバイOKですか?
OKみたいなので、進めましょう。
周りから見やすいように3人は中央にお集まり下さいね。





「えー…じゃあ、海常の男前主将、とりあえずシャツ脱げアル。」
「はぁっ?!!!」
「…ちょっと〜…劉ちん…。」




ギョッとする笠松さんと、何言ってんのと言いた気な表情の紫原くんを横目に…

「ああほら言わんこっちゃない」と福井さん&氷室さんが目を合わせ、二人同時に肩を落として「はぁあぁ〜……」と溜め息吐いちゃいました。


そして黄瀬くんは一気に青ざめてます。
劉さんに詰め寄るようにクワッと叫ぶ姿は「マジ必死」ってやつですよ。





「ちょっ、陽泉のリューさんっ…、アンタ先輩になんか恨みでもあるんスか?!!!」
「?別にないアル。」
「じゃあ何でそんな鬼みたいなこと言うんスかぁっ!!!」
「え?面白そうだからアルが?」




それがどうした?という風にシレッと答える劉さんに黄瀬くんはもう声にならない声で抗議してますね。
そして赤司くんに「涼太うるさいぞ」(※二度目)と衿元捕まれて連れてかれちゃいました。




「ちょっと劉ちん、舐めんのオレなんだから変なこと言わないでよー」
「つーか舐められんの俺なんだから変なこと言うな!他校だろうがシバくぞ!!」




あ、該当者組からも抗議殺到ですね。
それでも劉さんは「ん?」っていう顔を崩さないところが何と言うか。
……はい、劉さんて僕もビックリするくらいのドS人物のようですね。





「まぁまぁアツシ、お前に損はさせないアルよ。」
「はー?説得力ゼロなんだけど?!何が悲しくて黄瀬ちんの彼氏の身体舐めなきゃなんないわけ???」
「男前主将は黄瀬涼太の彼氏じゃなくて彼女アルよ、アツシ。」
「どっちでもいーしそんなん。」




どっちでも良くはないでしょう紫原くんてば。
ほんと相変わらず自分とお菓子と氷室さん以外には関心が薄いんですから。

ただ、紫原くんのそういう態度にも慣れっこなんでしょう…劉さん気にせず続けてますからね。



「アツシ、氷室にヤキモチ妬かせたくねーアルか?」
「――…え?」




ちょっとちょっと、悪い顔して何を企んでるんですか。
紫原くん、貴方も何黙り込んで劉さんの言葉の続きを聞きたがってるんですか。


「…室ちんがヤキモチ妬くの?こんなことで?」
「アツシ、氷室はお前が思ってる以上にお前に惚れてるアルよ。ヤキモチ妬く確率は100%アル。」
「…ふーん。じゃあやってみるけど…」
「(アツシちょろいアル。)」



紫原くんが何故か乗り気になりましたが、そんな二人をふざけんなよお前ら的な眼で睨み続けている笠松さん。
本当にご愁傷様です…。

ただでさえ常識人で苦労も堪えないというのに、よりによってこの二人に囲まれてしまうなんて…。

……とは言え、やはり王様の命令は絶対ですからね。
月並みな言葉しか送れず申し訳ないですが"とりあえずファイト"です、笠松さん。

まぁでもさすがに男前主将笠松さんですからね、物分かり良いというか、潔いというか。





「…、……おら、脱いだぞ…!」
「さすが男前主将、じゃあ遠慮なくいくアルよ。」
「…お前いい加減その"男前主将"って呼び方やめてくれ…」
「まぁとにかくいざ生クリーム!アル!!」
「っ…、」




べとっ、と容赦なく塗り付けられた生クリームに笠松さんの表情が強張る。
想像はしなくもなかったですが、まさか本当にそんなところにつけるとは…。すみません、笠松さん…慰めの言葉が浮かびません…。


あと僕の後方で黄瀬くんが奇声(あ、伊月先輩並のダジャレ…)発しました。
赤司くん、高尾くん、氷室さんが3人がかりで暴れる黄瀬くんを取り押さえてます。




「さ、最悪っス!!!あんのチャイニーズマフィアーー!!!!よりによって先輩のちくびに生クリームつけるとかどんだけっスか…!!!!」
「落ち着いて黄瀬君、劉はチャイニーズだけどマフィアじゃないよ、多分。」
「ちょっ、氷室さんマジ顔でそういう事言わないでっ、力抜けるじゃんっ(笑)」
「…涼太これ以上うるさくするようなら本気で殺す。」




……あ、赤司くんのこめかみに怒りマークが複数浮かび上がってます…。
オロオロしてる降旗くんに宮地さんがゆっくり近付いて無言でポンと肩を叩きました…。


そんな観客たちの状況なんておかまいなし!なのは紫原くん。




「じゃーとりあえずー……いただきまーす??」
「っ、うわ!?!!」




呑気な声と共に、がばっと笠松さんに襲い掛かり(?)ました……。





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