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何でしょうか、高尾くんと福井さんが両方同じ176cmというバスケットボール選手にしてはまだ低めの身長だからでしょうか。
(……まぁ僕が言うなって話ですが)
ただの密着って感じで、今までで1番マシな展開なのでは?
いやいやでも確か、王様の命令は「3番が8番を膝にのせて耳元で甘いセリフ」ですからね。
ぜひとも甘い台詞をお願いしますよ高尾くん。
「…あのー…福井さん、」
「何だよ?あ、重いとか言うなよ!それはそれで何か傷付くから!」
「……そーじゃなくてさ、オレ続き言わなきゃいけないワケなんスけど…」
「サクッと頼む!!!」
「……いや…もしかして、あの劉って人…福井さんの彼氏なのかなーって…(すっげー視線感じるんだけど…)」
「…えっ…は?!!!!」
―――――…ん?
なんかいきなり福井さんの顔が爆発したみたいに真っ赤になってるんですけど……
高尾くんがもう何か囁いたとかでしょうか??
耳元で囁く系はこちらまで聞こえないのがネックですね…。
「な、な、なに、なに言っ…」
「…ぶはっ!福井さん動揺しすぎ!それ、肯定してんのといっしょですって!」
「ちち、ち、違ぇからなっ?!!つ、つーか…かか、彼氏って…」
「え?だって絶対(体格的に)福井さん挿れられる側っスよねー?だからあっちが"彼氏"!」
「ッ!!!!」
ぼふんっ、と更に赤面する福井さん。
えっ…ちょっと高尾くんてばケラケラ笑いながら何を言ってるんでしょうか…。
っていうか他校とはいえ年上の先輩相手に完全に遊んでませんかアレは。
………えーと…
陽泉サイド、劉さんの貧乏揺すりますます酷くなってますね…。もはや貧乏揺すりのレベルを超えてませんかそれ。
テーブル上のポテトチップスが床に散らばってるんですけど…。
「なぁ、劉…分かりやすくヤキモチ妬くのやめてくれないか?」
「氷室うるさいアル。別にヤキモチじゃねーアル。これはあれアル、持病の脚カタカタ病アル。」
「…は?劉ちん何言ってんの?」
あ、紫原くん素でイラッとしてますね。
床に落ちたポテトチップスの怨みもあるんでしょうけど。
で、そのままグルッと高尾くんたちの方に向けて一言。
「ちょっとーアンタら早く終わらせてくんない?このままじゃオレのポテチ全部床に散っちゃうんだけどー?」
「福井さん、早く劉の脚カタカタ病何とかして下さい。」
「…え、ちょっ…室ちん…」
真顔の氷室さんに紫原くんの呆れた視線が向けられてるのはまぁ置いといて………
ほんともうそろそろお願いします…これ以上時間費やすようだとイグナイト行使しますからね。
「…まぁ……こういう企画だから仕方ねーよな…。んじゃ、福井さん―――…(…真ちゃんに言われてゾクッてしたことでいいかな〜…)」
「(劉のクソ馬鹿野郎…!!!高尾にバレてんぞどうすんだよ!!!死にてーわ!!!)」
福井さん青ざめながら赤面ってだいぶ器用な人ですね。
――…あ、でも高尾くん何かスイッチ入ったみたいです。
別にしなくていいのに後ろから腕回してギュッて抱きしめるという勝手なオプションまで付け加えちゃってます。
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