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「…福井さん大丈夫かな…。」
「んー…でもまだマシな方じゃん?前回の黄瀬ちんなんか、」
「アツシ、そこまでにしときなさい。彼まだ(心が)回復しきれてないからね。あと劉、そんなに高尾くんを睨むなよ。」
「……別に睨んでねーアル。」



氷室さんの言葉に陽泉のノッポ留学生、劉さんが眉間にシワ寄せてムッとしてます。
一見クールに見える劉さんですが…多分今頃心中穏やかではないのでしょう。
だって貧乏揺すり凄いですからね。
氷室さんも紫原くんもちょっとツッコみましょうよ……。


あ、僕一応紫原くんから色々聞いてますので陽泉高校のタダレタ恋愛事情も知ってるんです。






「陽泉の福井さんっつったらPGやってるオレとしては憧れっつーか……宮地せんぱいっ、オレなんか緊張しちゃう!!」
「チャラ男の本領発揮じゃねーか。健、気ィつけろよー。」
「ちょっ、宮地先輩ヒデーっ(笑)」




きゃー、ってテンションで後ろの宮地さんに喋りかけた高尾くんでしたが「うっせー!」と言わんばかりにあしらわれてます。

シッシッというジェスチャーと共に返された宮地さんからの言葉に「せんぱいの鬼!」と更に付け加えて言い返す、そんな二人の様子を福井さんが「相変わらずだなお前ら」的な目で見ていますね…。


そんな福井さんに今度は―――、





「健、…お前も選ばれてたんだな。」
「…まぁな。つーかユキ、お前先月号の月刊バスケ、やたら掲載されてたなー!男前主将特集っつって…岡村は1コマも出てなくて笑ったわ(笑)」
「う、うるせぇよ……」





海常の笠松さん――
…こちらも顔見知りでしたか。

笠松さんと福井さん……そういえば僕も月刊バスケに掲載されているPG特集でお二人を見たことありましたね。

「なんで俺には取材が来ないんだろう…」って伊月先輩が嘆いてましたっけ……


あ、そんなことより笠松さん、ほらほら…
あんまり楽しく同い年トークしてるから黄瀬くんが分かりやすくヤキモチ妬いてますよ?




「…先輩…、あの人に名前で呼ばせてんスか……?」
「あ?ああ、それが??」
「…………別に…何でもナイっス…」
「???」



しょぼんと肩を丸めた黄瀬くんに「はぁ?」と首を傾げるばかりの笠松さん。

……えっと…笠松さんってけっこう鈍いっていうか……うん、何と言いましょうか…黄瀬くん、ファイトです。


…ん?
何ですか、赤司くん。
鋭い視線で睨むの止めて頂けませんか。





「――…テツヤ、どうでもいいが早く進めてくれないか?時間が勿体無い。」
「ちょっ…、ちょっと赤司!高尾にも福井さんにも心の準備ってやつがあるんだから!」
「…光樹がそういうなら…まぁ待ってやってもいいが。」
「うん、ありがとな、赤司。」
「……。(笑顔が天使…!)」




あの、ちょっとソコ、勝手に妙なイチャイチャ感出さないで下さい。

……まぁ赤司くんの言葉も一理ありますね。
僕としてもサクサク進めたいのは山々です。

高尾くん、福井さん、すみませんがそろそろお願いします。
どうぞ、そちらのソファを使って下さって構いませんのでさぁどうぞ。





「うわ、テッちゃんがグイグイ押してくる(笑)」
「……怖ぇ1年だな…さすがアツシの元お仲間…」
「えっと…じゃあ福井さん、どうぞ?」





ぽふん、と先にソファに腰を降ろした高尾くんがポンポンと己の膝の上に乗るように福井さんを促す。
笑顔でそういう動作をやってのける高尾くん、ほんと凄いです。




「…あ〜…じゃあ…悪ぃな、高尾…」
「いえいえー!どうぞ!」





渋々近寄る福井さんに高尾スマイル炸裂中。

で、とうとう、
ぽすん、と控え目に福井さんの腰が高尾くんの膝の上に降ろされたのだった。








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