おまけ(side.劉)








「……もうお前には一生プレゼントなんかやんねーからな。」


ゴゴゴゴゴ…と怒りのオーラを纏った福井が、その怒りを包み隠しもせずに、小さい身体を踏ん反り返しながら(仁王立ちってやつアルか?)そう言った。

昨日の夜はあんなに可愛く乱れてくれたのに、その姿は今、全く想像できない。
(まぁそれが良かったりするんだけどナ)



「…福井怒ってるアルか?」
「当たり前だろっ!!これどーしてくれんだ馬鹿劉っっ!!!!」


一応尋ねてみたらクワッと怒鳴られてしまった。
「これどーしてくれんだ」の「これ」をズイッと見せつけながら福井はプンプンと憤慨している。
これが氷室の言う、日本人の不機嫌モード……『激おこ』状態なのだろうか。




「アイヤー…痕残ったアルか…」
「……なんか危ない奴みたいだろうが…どうしてくれんだっ…!!」
「確かに"手首縛られました〜"ってバレバレアルな。」
「……お前なぁ…」



サラリと答えると、福井は「はぁ」と溜め息混じりにその場にしゃがみ込んだ。
で、ぎろりと鋭い瞳で再び睨んできたかと思いきや直ぐにまたフイッと顔を逸らした。



「…何が誕生日だ…無茶苦茶しやがって…」



……お。
耳が赤いアル。

無意識なのか、福井のこういうところが堪らなく可愛いと思う。
(福井本人は全く気付いてないんだろうけど)

こういう悪態つきながら照れる(?)姿も可愛いと思うし、昨日の夜みたいに…理性飛ばして甘えるような声で私の名前を呼ぶ福井自身が知らない福井も可愛いと思う。


……ん〜…
やっぱり何でも可愛いくて困るアルな…。

なんて考えていたら、福井がまたジトリと物言いた気にこっちを見ていた。
目を合わせると福井は唇を尖らせている。



「…おい、聞いてんのかよ。さっきから黙りこみやがって。」
「聞いてるアル。」
「…じゃあ何か言うことあるよな??!」



何か言うこと…?
この場面で福井に言うこと…?

むむ、と考える私の隣で福井はまだかまだかと言葉を待っている。
(…その顔が可愛い。)

数秒後に「あ、そうか」と思い至った答えにポンッと手の平を叩いてから福井と向き合った。


「福井、」
「(そうだ!全力で謝りやがれ!!!)」
「………………。」
「…?(えっ…?何でガン見?!)」
「………福井。」
「えっ…?りゅ、劉?(つか顔近ぇっ!!!)」
「また暫く会えない分、…そうアルな、うん、とりあえず3分くらいキスしていいアルか?」
「……………………は?」






デカイ目を更に真ん丸くして沈黙されること数秒。

そしてその直後、
ピキリと蟀谷を引き攣らせた福井から、一切の容赦がない見事な鉄拳をプレゼントされていた。






〜HAPPY BIRTHDAY、HAPPY END?〜









(でもこの替え紐は使えねーアルな…。)
(…何でだよ?気に入らなかったか…?)
(……練習中に思い出すと困るからに決まってるだろ。)
(は?何を――…、…っ!!!!!)
(そーいう顔アル。)
(おっ…おまっ…マジ死ねッ馬鹿!!!!!!)






*******



劉に振り回される福井さん。
福井さんが好きすぎ病の劉。

もうずっとイチャイチャしてればいいと思う(・∀・)

すみません、今更ですが福井さん大学1年,劉は高校三年の設定でした…!!
(福井さんの誕生日記念小説からもずっと続いてる関係みたいなカンジです!というか永遠に続けばいい!)


劉、HAPPY BIRTHDAY!!!


2014/07/19
キサラギハルカ




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