6






〜その場に残って談笑?組〜







「…おい紫原…タツヤに変なことすんじゃねぇぞ!」
「はー?そんなんお前に関係ねーし。」
「関係なくはねーんだよ!」
「全ッッ然関係ねーし。つーか変なことってなに??5文字以内で説明してくんない?」
「ぐっ、…そ、そりゃお前…、」




……全く…
何やってるんですか、そこ二人は。
自由行動になった瞬間、馬鹿なやり取りをおっ始めた二人の後ろ姿をじとりと見つめていると、斜め上からクスクスと苦笑まじりの小さな笑いが聞こえてきた。



「…相変わらずだな、アツシとタイガは。」
「……ですね。」
「久しぶり、黒子くん。」
「どうも、氷室さん。」



爽やかな笑顔で挨拶してきた氷室さんにペコリと頭を下げる。
その胸元には初めて会った時同様にシルバーのリングがキラリと光っていた。

…僕からすれば氷室さんも火神くんも『相変わらず』ですけどね、って言いたくなる。
(まぁこの人、こんなに穏やかに見えて紫原くんもビックリするくらい"危険なお兄さん"ですからね、言わないですけど。)



「秀徳に勝ったんですね。おめでとうございます。」
「ああ、あと3分長引いたらどうなってたか分からなかったけどね。」




そう言って、ふふ、と微笑む氷室さんの隣を悔しそうな顔で通り過ぎて行ったのは宮地さんと、彼の背中を追う葉山さん。
食堂へと向かう彼らを見ながら、ふと思い出したことが口から漏れた。




「……そういえば氷室さん、次期主将、なんですよね?」
「アツシから聞いたの?」
「はい。」




岡村さんや福井さんたち三年生が引退した後に、新しい主将に氷室さんが…副主将に劉さんが選ばれたと。
そして紫原くんはもちろん守備はもちろん攻撃の要…Wエースを継続。
今回の合宿のことで連絡を取っていた時に、そんな会話をした。

そして、サラリと宣言されたのは「今年は負けないから」と、いう彼らしくない宣戦布告。




「……僕らも負けませんけどね。」
「ん?何か言ったかい?」
「いえ、別に。…それよりあの二人いい加減うるさいのでどうにかしませんか?」
「ふふっ、それもそうだね。」




タッ、と駆け出した氷室さんが紫原くんと火神くんの間に割って入り、二人を宥めながら食事へと誘う。

僕もそんな彼らに溜め息を吐き出しつつ、数分後には滅多に食べれないであろう豪華満載の昼食に舌鼓を打っていた。




「アツシ、これ美味しいよ。」
「ねー室ちん、ケーキバイキングもあるんだって。あとで行こ??」


もぐもぐと引っ切りなしに口を動かしながらデザートの話までしている紫原くんと、彼を笑顔で見つめる氷室さん。




「黒子、お前珍しく食う気あるのな。」
「とりあえずキャビア・フォアグラ・トリュフは抑えました。」


紫原くんに負けず劣らず口いっぱいに食べ物を頬張りながら話かけてくる火神くんと、せっかくなので普段戴けないものをゲットする僕。




「宮地さん、宮地さんっ!!これ美味いよ、おすすめっ!!」
「ああもううるせぇっ!!!」


瞳をランランと輝かせて宮地さんの腕を引く洛山の葉山さんと、怒鳴りながらも半ば諦めてるような秀徳の宮地さん。




「青峰さん……食べすぎじゃないですか、ソレ…」
「あ?まだまだ食えるけど??つーか赤司やっぱすげーわ。何でも揃ってやがる。」
「……ワシお前見てるだけで食欲なくなるわ…」
「でも本当に美味いぞ。…ん?若松どこ行った??」



紫原くん、火神くん同様に物凄い食欲をあらわにしている青峰くんと桐皇メンバーの皆さん。



「いやマジで小堀さんのゴール下テクニック、巧いっすよ!」
「そうかな。ははっ、何かそう褒められると嬉しいな。」
「小堀せんぱいっ、桐皇のセンターとなにして(る)んですかー!!!!」



若松さんと小堀さんはセンターとして意気投合しているようで、そんな中に割り込んでいく元気全開の早川さん。




「おっ、伊月じゃん。お久ー。」
「えっ、森山さん??!か、笠松さんたちと一緒じゃないんですか…?」
「笠松と馬鹿ワンコならどっか行った。早川はうるさいし、俺こっち交ざっていいかなー?」
「あ、ど、どうぞ…!」



海常の森山さんのマイペースなノリにちょっと困惑しちゃってる伊月先輩。



一体ここにいるどれ程の人が闘志を隠しているんだろうかと思う。

だけど、たまにはこういうのも悪くないかもしれないですね…なんて、ハムスターのような形相でお皿を空にしていく火神くんの隣で、そんなことを思った。



う。
腹を割って話すことは出来ないけれど、こんな

[ 213/217 ]

[*prev] [next#]
[戻る]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -