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ああ火神くんてば…
案の定、目を見開いて赤司くんをガン見してます…。
「ちょっ…ちょっと待てっ!なんで紫原とタツヤが同室なんだよ?!」
「……火神大我か、発言するときは手くらい挙げろ。」
「うぐっ…(さっき紫原のときはンなこと言わなかったくせに…このやろう…)」
赤司くんのオッドアイがギロリと火神くんに向けられる。
少したじろぎながらも抗議(?)をやめない火神くんに思わず溜め息を漏らしそうになってしまいます…。
……何回も言ってますけど…ほんとに、もうほんといい加減…ブラコン卒業してくれないですかね…。
(既に紫原くんとの関係も知ってるんですから…)
「…ちょうどいい。今の内に皆にも言っておく。今回の部屋割やスケジュールは僕が一日(のうち30分程)かけて考えたものだ。……それなりに考慮している。故に異論は認めない。」
無茶苦茶なことを涼しい顔して言わないで欲しいものですね。
(異論を認めない、なんてどこまで王様なんですか…)
ただその空気感、…いわゆるオーラの凄さに、火神くんは勿論、他の皆さんまでもがゴクリと生唾を飲みこんでますが。
鋭い眼光がまるで『僕の言うことは…?』と語りかけてくるようで恐すぎます。
そんな周りの空気はサラッと無視して続ける辺りもさすがです。
「そういう訳で、敦の場合は彼を良く知る……そしてこの先も互いを知り尽くす必要のある氷室辰也さんが最適だろうと僕が判断した。…火神大我、まだ異論があるなら特別に今聞いてやろう。」
静かな口調とは裏腹に、今の言葉は『まだ異論を唱えるのならば今すぐ殺す』と言っているようなものですよ…赤司くん…。
まぁこれではさすがの火神くんでも……
「…え〜、や、何もねぇ…デス。」
…そうなりますよね。
まだ少し悔しそうな顔してますが仕方ないです。
赤司くんの言うことは…絶対ですから。
「バ火神まじうるさいし。つーかあいつ室ちんの何気取りなの?」
「ふふっ、……困った弟だな。」
「…。(弟とか言ってんなし。)」
「ん?どうしたアツシ?」
「……室ちん。」
「?」
「同室、よろしくねー」
「ああ、こちらこそ。よろしくな、アツシ?」
いち早く部屋が決まった紫原くんと氷室さん…何だか和やかな雰囲気になっていますね。
ただ貴方がたのすぐ傍で、福井さんと劉さんが「頼むから問題起こすなよお前ら」的な顔しているんですよね…。
正直すごく気になります。
「なぁおい赤司、俺は?」
「赤司っち、オレは誰と部屋一緒っスか?!メール見てくれたんスよね?」
「大輝煩い。涼太はその口に大量の鰻ぶち込まれたいのか?」
……えっと…
僕も自分がどうなるのか気になりますが…
とりあえず赤司くんの次の発表を『おとなしく』待つことにしましょう。
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