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「黄瀬ー、お前なに落ち込んでんの?俺なんてシューターとしてのプライドけっこうズタズタにされたんだぞー?」
「森山、シュート打つ度に実渕にフォームがダサイって笑われてたからな。」
「…んん?!森山せんぱい、そういう意味のプ(ラ)イドずたずた?!!」




どこか呑気、かなりふざけた、そんな3人の言葉に先程までのどこか張り詰めたような空気がフワリと柔らかく変わっていた。

笠松は呆れながらも思わず苦笑するしかなかった。
そして自らも、冗談っぽく文句めいた言葉を零す。




「俺も赤司にアンクルブレイク?されまくって膝もケツも痛ぇわ。」
「えっ?!!!!せせせ先輩っ…?!膝はともかくお尻痛いってどゆことっスか!!!」
「…は?つか、おまっ、近っ!!」




ぐいぐいと距離をつめ、黄瀬の手は笠松の両肩に伸びていた。
何しやがる!と怒鳴ろうにも黄瀬は何故か青い顔をして半泣きで心配そうな様子だ。
笠松は「あ、阿呆だコイツ」と怒鳴るのも忘れて脱力してしまった。



「ねぇ先輩っ!お尻痛いってどーゆーことってば!!」
「…。(地面にぶつけまくって痛ぇだけだっつの…)」
「ちょっとお前らホモホモすんのやめてくれない!!??」
「黄瀬っキャプテンから離(れろ)ってばーーーー!!」
「…仲の良さでは圧勝だな、このチームは。」




ははは、と笑う小堀に対して森山がツッコミ入れるのと、とりあえずうるせー!!と笠松が黄瀬に鉄拳をお見舞いしたのは


ほぼ同時だった。






















「ふー疲れたー!」
「ほんと、シャワー浴びたいわぁ」
「あ〜腹減った。牛丼食いてぇな。」
「…なぁ赤司、このあとは自由行動なのか?」





黛の問いに、赤司は「ああそうだね」と涼しい微笑みを浮かべる。

黄瀬との勝負で少なからずも疲労している筈なのに、それを微塵にも感じさせない姿。

圧倒的な赤司征十郎の強さ。
これには、彼に対して良く思ってはいない黛でさえも、さすがだと認めずにはいられない程だった。

102vs90…

赤司の存在なしでは黄瀬を止めることはまず不可能だった。
コートに残されたスコアボードを見て黛は改めてそう思った。



「…。(…涼太…あそこまで成長していたとはね。)」
「征ちゃん?どうかした?」
「…いや。ああ…どうやら他のチームも既に終わったみたいだね。」
「あっ!!秀徳まけてるじゃん!!!」
「…あら、誠凛も負けちゃったのね〜。」




そう言いながら辺りを見回す赤司。
両隣では葉山と実渕がそれぞれのチームの試合結果に驚いた声をあげる。

その声に気付いたメンバーたちが徐々に中央Bコートに集合し始めた。






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