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とりあえず近場のマジバで先程の件を説明しながらバニラシェイクをズズズと飲む僕と、控え目にポテトを口に運ぶ降旗くん。
火神くんは頬っぺたがパンパンになるくらいバーガーをご賞味中だ。




「思った通り緑間君たち…つまり秀徳高校も同じでした。あと紫原くんと黄瀬くんもみたいです。」
「……っていうと、陽泉と海常ってことだよな…、……うわっ、タツヤも参加すんのかよ!!」




陽泉が参加する=氷室さんの参加、は絶対でしょうね。
きっと目を輝かせて今頃更に練習に励んでいることでしょう。
(そして紫原くんはそんな氷室さんに呆れた眼差し向けているんでしょうね…)




「えっと…あとは青峰んとこ、桐皇もだったよね、…赤司ってば一体どういうつもりなんだろ…」




降旗くんが溜め息混じりに不安そうに首を傾げる。
なぜなら(今回の首謀者であろうその迷惑窮まりない)赤司征十郎という人物が、よりにもよって自分の恋人という立場ですからね。
そりゃあ溜め息も出ますよね。


……でも多分、理由なんて単純なものだと思う。
どうせあの赤司くんの事ですから―――、




『どうにかして光樹に会いたい』
『よし、合同合宿という大義名分を作ろう』
『ついでに真太郎や敦も呼んでみるか』
『大輝や涼太も元気だろうか……』
『……ふむ、どうせなら皆纏めて呼んでやろう』




…………きっとこんなカンジで今回の一件が発生したんだと思うんですけど…
(…何だか自分で推理しといて頭が痛くなってしまいました…)

降旗君の隣で思わず二度目の溜め息を吐き出してしまった。






『強豪校との合宿なんて願ったり叶ったりよ!しかも費用は全部向こう持ち!!皆、気合い入れて参加するわよっ!!!!』



まぁ…そんなわけで、監督が二つ返事で既に向こう側に参加を約束してしまってる以上、今更何をどう言っても週末には赤司くんに会うことになるんですけどね。

その時に「物事には限度があります」とでも言ってやりましょうか…。

…全く……。





「でもまぁ強ぇ奴らとバスケできんだよな??そう考えたらちょっとワクワクするかも。」
「………火神くんも氷室さんに負けず劣らずのバスケ馬鹿でしたね…。」
「ん?何か言ったか黒子??」
「………、いえ…別に。」




目が少し輝いていますよ火神くんてば。
……何だかんだ言っても氷室さんや青峰くんに会えるのが嬉しいみたいですね。
隠しきれてませんから。




「それにしても…参加メンバーは"WCに出場したレギュラーメンバー"ってなってたのに何でオレまで参加することになってんだろ…。」




……降旗くんが参加しなきゃ何の意味もなさない合宿だからじゃないんですかね。

監督は、
『鉄平の足のこともあるし、一応ウチからはあと一人…鉄平に何かあった時に降旗くんを参加させるように洛山高校側から提案があったからよ!』
……なんて言ってましたけど。

木吉先輩は基本的にセンターですからね。
代理として選ばれるなら普通は降旗くんじゃなくて水戸部先輩とかが妥当ですよね。

……降旗くんを指名している時点で赤司くん絡んでるのバレバレなんですけど。




「……合宿は厳しいからちょっとツライけどさ、でもオレ…赤司に会えるのは楽しみなんだ…。」
「……フリ、お前…」
「あっ、遊びに行くんじゃないってちゃんと分かってるから!…でも、会えるのも久しぶりだし、ね。」




えへへ、と小さく笑う降旗。
そんな天使以外のなにものでもない笑顔に僕も火神くんも心臓がキュンッとなってしまった。
そして思うことは同じ。
そう…、降旗くんには幸せになってもらいたい。
(た、たとえ相手があの、赤司くんであっても…!!)




「では…手始めに…そうですね、合宿用のおやつでも買いに行きますか?」
「おっ、賛成!大量に買ってこうぜ!」
「監督や主将たちの分もね!」






……もちろん全額、
赤司くん負担ですけどね。




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